【約束のネバーランド】とある少女の逃走記３

95話 ページ11

『ちょ…3人とも大丈夫？本当に顔色やばいよ。エマとかもう一度寝たほうが良いんじゃないの？
レイ、お前も座れって。貧血起こす5秒前の顔色だぞマジで』



何とかレイの服を引っ張るけど完全無視

ノーマンとエマに至っては泣きそうな顔をしだした。


ちょっと待って何で私が喋れば喋るほど状況悪化してんの？



『ちょ、レイ。エマとノーマン泣きそうだから慰め手伝って』

「な、何で…」

『おっとこっちにも泣きそうな奴が』



立ち上がってるから見えなかったけど、レイが1番泣きそうな顔をしていた。

何だろうな、レイが普段泣かないからだろうけど心が痛くなるんだよ

どうにかしたいんだけど…





「何でお前、そんなにいつも通りなんだよ。死ぬのが怖くないのかよ…」




………原因は私ですか


いつも通り。…殺されることが決まったのにっていうことかな



『…………とりあえず座ってよ。ね、本当に今のお前見てて不安だし』


何とか手を伸ばして肩を下に押す。

今度は素直に座ってくれたのを見て内心ほっと息を吐いた。



『…さっき言ってたやつね
多分実感がないからだと思う』



だって私今だってママを敵だと本当の意味で思ってない
別にママがどこかで助けてくれるんじゃないかとか淡い期待じゃなくて、理由はもっと別にあるけど

…これは別に言わなくていいな





『……良かったって、思っちゃった
ママにバレたのが脱獄とロープだけで
レイの二重スパイに何の咎もなくて
エマのその怪我が脱獄に間に合いそうで』



そう、私のこと以外は全て順調だ


けど、だから私が全て我慢すればいいって、そういう事を思ってるわけでもない



ただ私は「選択」をしているだけ

なにが1番まずいか


それはみんなも分かってる





『みんな(・・・)には脱獄の道が残ってる』





ぐしゃりと顔を歪める3人。



……問題は、この3人が私を逃そうと思ってること




(困るんだよなぁそれじゃ)


もし仮に逃げたとして

そうすれば次誰が危険に晒されるか分からない奴らじゃない

私さえ分かってるんだから


…私のことは私がよく知っている

私が一番嫌なこと……嫌な結末が何か、ちゃんと言葉にできる




私は、みんなが死んでしまうことが、私が死んでしまうよりもずっと怖い



ねぇ。私の命は一つだよ


君たちが守るべき命が…可愛い弟妹たちの命が、いくつあると思っているの







みんな分かってよ

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