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今日は泊まって行きなさい。



そう進めてくださったのに甘えて、

久々に翔太の実家にお泊り。









もう俺も実家を出て随分経つから

この家に泊まるのなんて数年やそこらじゃ足りないくらいには久しぶり。









「久しぶりだね、俺が泊まるのも」

『まあ、そう、だけど』

「翔太のお母さんも全然変わってないね。相変わらず美人だし」

『、は、ぁ?…ふは、ばかじゃ、ねの?』









翔太はベッドに寝たまま、

俺はベッドに腰掛けたまま


お互いの顔をちゃんと見ないまま、会話が進む









『…そ、いえば、さ、』






詰まった声で話を切り出す翔太


声色からして、

言いにくいことなんだろうなあ、ってことは予想がつく。









『……リ、ハビ、リ…やめた』


「うん、知ってる」


『へっ?』


「翔太のお母さんが教えてくれた」


『、はぁ?…うぜえ』









ギシッとベッドの鳴る音。


彼なりに怒りを現したらしい。









「翔太はそれでよかったの?」

『…まあ、』

「そっか。翔太がいいって思うなら俺もいいよ」



『…ちっ、ちがう、…ほんと、は、ちがう』









彼らしくない弱い声で飛び出した言葉。

やっと彼の目を見ると、不自然なほどに泳いでいて。









『おれが、疲れ、たんじゃ、なくて』

「うん」

『………リハビ、リ、もう、いみ、ないって』









機能を失ってしなった脚。

そして物を掴めないほどに弱った手。




それに加えて声帯も弱り、もう動かせる場所に限界を感じて終わりを切り出されたらしい。







『ごめん、勝手に、決めて』

「…ううん、翔太は悪くない」



『…………もう、あいどる、できない、のかな』









彼の頭の中に、今どんな景色が広がってるんだろう





動けてた頃の思い出?

ライブで外周を走り回ったこと?


ただメンバーで馬鹿騒ぎして、カメラも回ってないのに遊んでたあの時のこと?









アイドルを、まださせてあげたい。




ファンのみんなに会わせてあげたい。


けど、









まだアイドルできるよ



って言える自信は、俺にはないよ。









「…翔太、もう遅いし、寝よっか」


『りょーた』


「ん?なあに?」









『…おれ、よめい、せんこく、された』









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ぽん(プロフ) - ずっと読み続けることの出来るような、素敵な作品にとても感動しました。続きを待ってます! (2023年1月13日 7時) (レス) @page40 id: 8d0d2a0967 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:やまさき | 作成日時:2021年4月11日 23時

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