ハレルヤ (ページ22)

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翔太の意識があることを確認する

「ん」とか、「う」とか、言葉にならない言葉しか出てないけど、まだ応えられることに安心した。

「翔太、体起こすよ」

鼻血が逆流しないように上半身を支える。

ティッシュで鼻を押さえながら「苦しくない？」と聞けば、うっすらと目を開けて小さく頷いた。

佐「涼太！これ！」

バタバタと走ってきた佐久間から着替えとバスタオルを受け取る。

とりあえずバスタオルを当てるけど、

当てたところはすぐ真っ赤に染まってグジュグジュに濡れてしまう。

佐「ベッドから落ちて打っちゃったかな？」

「だったらいいんだけど、…翔太、初めて倒れた時も鼻血出してたから、」

佐「そうだよなあ、血止まんなかったら貧血になっちゃうしね。……病院、行く？」

今連れて行ったら翔太が嫌がらないか、

って思いが一瞬よぎったけど、流石にこの状態の翔太を俺たちだけで対応するのも限界がある。

でも翔太の意思は、、

『………いく、』

微かに聞こえた声。

「翔太、」

『びょういん、…いく』

佐久間の方を見れば、頷いて「俺車出してくる」と部屋を出て行った。

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佐「翔太、どう？鼻血ちょっとは止まった？」

バックミラー越しに聞いてくる佐久間。

都立の病院まで車で20分。その道を制限速度ギリギリで飛ばしてくれている。

「まだかな。でもちょっとは量少なくなったかも」

佐「そっかぁ、翔太振動辛そうじゃない？大丈夫？」

「大丈夫。さっきから疲れて寝ちゃってるから」

佐「あ、寝れてる？そかそか、なら良かった。車ん中全然汚れちゃってもいいからね。鼻血押さえすぎちゃっても逆流するだろうし」

座席にバスタオルは敷いているものの、

それでも少しは汚れちゃってるわけで。

相変わらず佐久間は優しいな、なんて、少し余裕を持ったことを思ってしまう。

佐「…っし、とうちゃーく。裏口から入ればいいんだっけ？」

「うん、もう先生いると思うから」

佐「じゃあ翔太おんぶできる？俺ちょっと車ん中のこととかしとくから」

「ごめん、ありがとう」と言えば、

佐「頑張ったね、翔太も涼太も」

って、なぜか俺の頭を撫でてきた。

佐「よく頑張りました」

これで泣きそうになったのは、ここだけの秘密。

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