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17. ページ18

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「ありがとうございました」




お金を払ってタクシーを降りれば、

「頑張ってね」と運転手さんから励まされる。




そんな時も翔太は恥ずかしいようで、俺の後ろに立って顔を逸らしながら頬を掻いていた。









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医「ん〜、…ちゃんと薬飲んでる?」


『えー、俺そんな信用ない?』


医「ちょっと信仰具合がね、今まで僕が見た病状より早く感じるんだよね、、」








え〜!と不満げな翔太。


病院の付き添いは大体俺だけど、毎度のように悪化していると言われてる気がする。






そして、毎回決まって言われるのがこのセリフ。








医「入院治療、考えてみない?」





『…いや、どーだろ、それは、、』









一気に翔太の歯切れが悪くなる。




芸能活動を休止した今、自宅療養を続行する理由もないけど、入院を強制するわけにもいかない。



言ってしまえば、入院してもそれは病気を治す治療ではなく、

進行を遅らせるためでしかない。









『まあ、治んなら入院するけど。治んないんでしょ?…なら俺は家にいたい』


医「でもそれだと、」



『じゃあ薬と点滴だと作用ちげえの?点滴ずっとしたままで動けねえで進行遅らせるだけとかさ、

…それもう治療じゃねえじゃん。死ぬの待つだけじゃん』









淡々と意思を伝える翔太。




それを先生は真剣に聞いて、いつも翔太の意思を尊重してくれる。


それを俺は翔太の隣で聞いてるだけ。

口出しはしないし、できる立場ではないと思ってるから。









医「でも翔太くん、ひとつだけ聞いてもらっていいかな?」







真っ直ぐ翔太の目を見て言う先生。








医「翔太くんの病気は、筋肉が動かなくなっていくことが主な病状だってことは説明したよね?」


『それは聞いたけど、』



医「自宅療養だとね、もしもいきなり動かなくなっちゃった時とかに助けられる人がいないでしょ?

近くに電話がなかったら救急車も呼べない。

もちろんそれ以外の症状だっていついきなり出るかわからないんだ」






ここまではわかるかな?という問いに

翔太はゆっくりと頷いた。








医「でも入院だと、いつなにが起こってもすぐ対処できる。看護師さんが常駐してるからね。

面会だってできるし、点滴をしててもある程度は自由に動くことはできるんだ」









医「だからちょっと、考えてみてくれないかな?」









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ぽん(プロフ) - ずっと読み続けることの出来るような、素敵な作品にとても感動しました。続きを待ってます! (2023年1月13日 7時) (レス) @page40 id: 8d0d2a0967 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:やまさき | 作成日時:2021年4月11日 23時

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