叶わない恋《Tomohiro.K》 (ページ5)

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(重岡side)
いつからだろうか

神ちゃんと入れ替わったのは

そしてAを好きになったのは

ことの始まりは10年前…

〜10年前〜
それは、まだ俺らが入れ替わってない時。
だいたい小学生になる前のお話。

『大ちゃん！智くんっ！』

俺のことを『大ちゃん』、神ちゃんのことを『智くん』と呼んでいた時のこと。
この時からAのことが好きやった。それに、神ちゃんもAのことが好きやったらしい。

「これから遊ばへん？」

「おっ！ええやん！」

『行こ行こ！』

俺の提案に乗ってくれた2人。
そして公園に向かうことに

でも、それで悲劇が起きた。

「Aっ！！」

「Aちゃんっ！！」

Aが車に轢かれそうになり、神ちゃんと必死になって声を上げた。

『えっ…』

でも、Aは俺たちの声を聞いて驚いていた。
そして、逃げようとせんかった。

だから、俺たちはAを庇うことにした。

『？！大ちゃんっ！！智くんっ！！』

そして、俺らは車に跳ねられた。
意識が朦朧とするなかAの必死になった声と、遠くからパトカーと救急車の音が聞こえてくる。そっと神ちゃんの方を見ると

「しげっ……」

頭から血を流し横たわっている神ちゃんが目に入る。

「神ちゃんっ！…」

俺も横たわっていた。けれども、神ちゃんは俺よりもっと酷かった。
やばいと思った。でも、痛くて痛くて体が動かせなかった。

神ちゃんと目が合う。そして、そのまま…

俺らは意識を投げ出した。