ヌナは笑わない。 (ページ14)

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＂頼みがある。この子が回復するまで宿舎にいさせてやってくれ。正直、今1人にするのは心配なんだ。…後、俺がこの子の過去を話した事は秘密な。俺は今からやる事があるから…じゃあ、頼んだぞ＂

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そう言ってマネージャーが宿舎から足早に出て行ったのは数時間前。

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7人が交代でAを看病するけど全く起きる気配はなく今はテヒョンの番。

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『っ……＂たす、けて、…＂』

TH「っえ、…たすけて？って、言ったの、？」

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突然苦しそうに日本語を話すAにオロオロとしていると、目からツーっと一粒の涙が伝ったのが分かった。

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TH「……大丈夫。もう、怖くない…」

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ぎこちなく、テヒョンが熱い手を握るとゆっくりと目を開いたA

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『……テヒョ、ン、さん…？』

TH「はい。…Aさん、熱で倒れたんですよ。ここは俺達の宿舎です。」

『…運んでくれて、ありがとうございました…』

TH「え…ずっと起きてたんですか？」

『いえ…テヒョンさんが、私を支えてくれたとこまで、は覚えてます…』

TH「…そうですか。とりあえず目を覚ましてくれて良かったです。…俺はジニヒョン、呼んできま、っ、？」

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床に座り込んでいたテヒョンが立ち上がり、部屋を出て行こうとすると弱々しい力で服の裾を掴み止めたA

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『あの、…図々しいんですけど、何か、抱えられるようなものって、ありませんか？』

TH「抱えられるようなもの、？」

『はい。私、その…小さい頃から、何かを抱いて寝ないと、落ち着いて寝れなくて…』

TH「っ、(何そのギャップ…！！！風邪で弱々しいし、顔も赤いし、いつもよりふわふわしながら話すし…俺、やばいかも…)」

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とはなりつつも、マネージャーの話を思い出してハッとするテヒョン。

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＂…この子は小さい頃から我慢してばっかりで、気持ちを押し殺してきたからな…＂

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TH「(きっと、何かを抱いて眠る事で寂しさを紛らわせてきたんだ…)

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