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向井side

その後、女の子と駅で別れてからは
何の連絡も取ってへんかった

「康二!!」

『なんや朝から、元気やな』

「プロポーズおっけいされました!!」

『…ほんまに、おめでとう』

もう一回彼女にプロポーズすんねんっと言ってた
末澤のプロポーズが上手くいったと聞かされて

もう早く幸せになってしまえと思っていた自分がいた
そうしたらきっと忘れられると思うって

『なんで、一回目のプロポーズ断ったんやろうな』

「なんか自分の中で整理ついてへんかったって」

『整理?』

「でも、やっと整理ついたって」

Aになんの気持ちがあったんか知らんけど
ホンマにそろそろ諦められそう

「あ、そう言えば昔Aと出会った時も好きな人がいるーって言ってたな」

『そうなん？』

「かなり引き摺ってたし、康二と一緒やな」

『知らんかったわ、』

Aの想い人って誰やったんやろ

「康二はもうええの?」

『多分その子も、今は幸せやろーなって思ってん』

「…そっか、そうやな!! ほんで、あの合コンの子とどうなん?」

『うるさいわぁ、もう。俺の話はええねん』

「気になるやんか!!」

『あーあー、うるさいうるさい』

「あ、スピーチ頼むな!!」

キャンキャン言うてる末澤を放ったらかしにして
この前撮った写真を探す

『ほんまに、出会えた時は運命やとおもったんやで』

『ありがとうな、』

写真を削除して、携帯をポッケにしまう
これを運命と呼ばないなら、なんて言うんやろな

『偶然やな』

引き摺っていた想いが今静かに閉じていった