タイトル未定 (ページ5)

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向井side

何やかんやで、合コンが終わった
目の前にはAと末澤
俺の隣には別の女の子

「康二、俺らの結婚式はスピーチ頼むわ!!」

『あほか、』

「なんでやねん、ええやろ?」

『嫌や』

「なんでやねん、笑」

ちょっと拗ねてみると、彼女が笑う

「康二くん、拗ねるところ昔から変わってないね笑」

『拗ねてへんし!!』

「久しぶりの再会だし、ちょっと話そうよ笑」

そう言われ、少しだけ喜んでしまう俺がおる
俺の隣の女の子は末澤の方に歩き、Aが俺の方に来た

「変わんないね」

『Aも、まぁまぁ変わってへんよ』

「まぁまぁって笑」

『…』

スマホを取りだし、月に照らされたAの写真を無意識に撮ってしまった

「康二くん、今撮ったよね??」

『…バレたか!!』

「もー!」

この感じが懐かしくて、末澤にバレへんように手に触れた
びっくりした様子のA

俺にせえへん？って言えたら、好きって伝えたら
Aはなんて言うんやろ

『今日、出会えて良かった』

「…うん、私も」

『俺、』

「ん?」

『なんでもない、』

腕を引っ張って抱き締めた
少しは抵抗してくれへんと、諦めつかんやん

「どしたん、」

振り向いた末澤に名残惜しく体を離す

『Aがふらついてん』

「ほんまに? 無理すんなって言うたやん!!」

「ごめん、笑」

手を引かれるAの背中に呟いた

『ほんまに、運命やと思ってたんよ』

届くはずもなく、振り向くはずもなく
夜風に当たりながら歩いた

「大丈夫ですか？」

『ん、大丈夫やで!!』

「私こっちなので、」

『送ってくわ!!』

「おぉ、ええ感じやん笑」

ちゃうよ、逃げたかっただけ
伝える勇気もない、また俺は逃げてるだけやねん

『ほな、行こか』

「…うんっ」

Aの顔も見ることなく、俺たちは歩き始めた