タイトル未定 (ページ4)

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向井side

お互い黙って見つめ合う、何秒経ったんやろ
末澤の「ま、座ってや」と言われるまで立ち尽くしていた

『あ、えっと、なんか飲む?ってか、飲むよな』

「…ありがとう」

「どーせ、カシスオレンジやろ?」

「どーせってなによ、笑」

緊張するのも無理ない
引き摺ってきた相手が今目の前におる

飲み物を注文して、ぼーっと見つめていると
末澤に目の前で手を振られる

「何ぼーっとしてん」

『してへんよ!!笑』

「ほんまか？」

『してへん!!』

「声でかいねん、腹減ってたん？」

お腹は空いてるけど、それ以上に再会出来たことが
何よりも、ご飯よりも、嬉しかってん

「遅いなぁ、」

「もう少しで来ると思うよ、仕事って言ってたから」

「ほんなら、先にAの事紹介するわ」

さっきとは違って照れた様子の末澤
高まった気持ちを抑えるには十分過ぎた

「俺の彼女、A」

『かの、じょ』

彼女って、あの彼女やんな
プロポーズしたって、返信待ちって…

「久しぶり、康二くん」

『…そうやな、』

ちょっと考えれば分かったことやった
Aの隣に座ってるのは俺やない

「2人知り合いやったんやな」

「うん、高校の時の友達」

「ってことは、Aは康二の想い人って知らんの？」

ほんまに、こいつは、何言ってくれとんねん
チラッとAを見ると目が合った

「どうだろう、分かんないかも…笑」

『…』

なにが、運命やねん
ちょっと前の浮かれてた俺、ほんま情けないわ…

「ごめん!! 遅くなりましたっ!!」

微妙な空気を変えたのは俺が今から紹介される相手だった