・ ページ28
貴方side
「そう言えば、Aと性格も似てる……って、どうした?」
『え、』
「泣いて」
『いやいや、翔太に彼女が出来たことが嬉しすぎて…笑』
一瞬固まった翔太は、数回瞬きをして目を細めた
勘のいい翔太にはなにか伝わってるかもしれない
「失礼しちゃうよね、俺だって出来るし!!」
『あーそっか笑 翔太に彼女か……笑』
「お前も早いところ作っちゃえよ笑」
怖くて、このポジションに逃げてただけだった
本当はずっと好きだったのかもしれない
『翔太』
「ん〜?」
『合鍵持ってる?』
「おー、あるよ、ほらっ」
ポケットから出てきたのはお揃いのキーホルダーが付いた私の家の鍵、それをヒラヒラさせて見せてくる
『……はい、おしまい』
「は?」
『もう勝手に家に来るのも、こうやって2人で会うのも』
「え、なんで?」
取られた鍵を寂しそうに見る翔太
なんでって、わかるでしょ
『彼女の事、大事にしなきゃダメじゃん』
「Aと彼女は違うって笑」
『私が翔太の彼女、、だったら嫌だ』
真っ直ぐ見つめて伝えると、目を逸らされた
「だな、」
『うん、そーだよ』
「つーか、Aに恋愛で説教されるとは思ってもなかったわ笑」
『恋愛マスターに任せろって』
「どこがだよ笑」
『ほら、最後の飲み会に乾杯〜』
「……なんか寂しいな」
躊躇うグラスに思い切り当てて、朝まで飲んで話して
静かな朝を二人で歩く
『幸せにしてやんなよ』
「わかってるって、しつこいな笑」
『翔太』
「ん?」
『……なんでもない笑』
家まで歩いて送ってくれた
『じゃーね、元気でね』
「A」
『ん?』
「…本当にあの時、なんで泣いた?」
お互いを知りすぎた私たちにはその先の関係なんて似合わない翔太も私も今やっと気持ちを知ってしまった
『内緒』
「なんだそれ笑」
『気を付けてね』
「おー、またな」
知らないフリして私たちは背中を向けた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もにぃ
| 作成日時：2023年11月1日 22時
