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貴方side



「あ、今日ね、俺も楽しかった」


『そうじゃなくて、今まで』



そう言えば理解したのか目を丸くする
なに、待ち望んでだ言葉じゃない



「……や、俺さ」


『蓮の優しいところ好きだったよ』


「…」



さすがに私にもわかる、
最近名前も呼んでくれないし、会話がお互い一方通行だった



「好き、って」


『え?』


「さっき、好きって言ってくれたじゃん」


『うん、言ったね』


「やべぇ、嬉しいって思っちゃったんだよね」


『そっか』


「でも、俺も好きって言えなかった」



その言葉がずっしり来た
分かってたはずなのに重くって私の中で完結しない



「ごめん、幸せに出来なくて」

「多分俺じゃなかったんだと思う」



素直って怖い、私はそのあなたに幸せにして欲しかった
いつからお互い干渉しあわなくなったんだろう



『……うん』


「幸せになってね」



横に並んだ蓮を見上げると、涙が出そうになった
こんなにかっこよかったけ、身長高かったけ、って



「じゃあ、俺行くね」


『……ん、分かった』



少しずつ遠くなる蓮の背中



『……蓮!!』


「っ、びっくりした笑」



びっくりしながらも振り向く蓮は戻ってくる
半分くらい戻ってきたところでストップをかけた



『私の事、忘れないでね』


「え?」



なんて呪いみたいな言葉をかける
何回か瞬きしたあと口を開く蓮に怖気付いた



『嘘、冗談!!笑』


「っなんだよそれ笑」


『気を付けてね、元気でね!!』



見送ることも無く私も反対側を向いた



「Aも、元気でね」


『っ!!』



振り向いた時にはその姿はなく
目の前は歪んでアスファルトが私の涙で濡れた

特別な人/red→←・



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作者名:もにぃ | 作成日時:2023年11月1日 22時

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