タイトル未定 (ページ16)

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貴方side

『ふぁあ、眠っ』

毎日遅くまで大学の勉強して家に帰る
塾にも通う気になれなかった

「あ、やっと来た」

『……は、え?』

「おつかれさまっ、A」

会いたくて会いたくてたまらなかった人
でも、1番会いたくなかった人

『阿部先生っ、』

「阿部先生……ね笑」

『なんで、え、は、え?』

「落ち着いて、ほら乗って」

車からひょこっと顔を出して手招きをしてくる
あざと過ぎる

『や、私、歩いて帰れます、』

「えぇ、遠慮しないでよぉ」

『でも、』

「Aの為に運転頑張ったのに、、」

あざと過ぎる、そんなこと言われて乗れないわけが無い
遠慮がちに後ろに乗ろうとしたらまた顔を出した

「後ろはダメ、ほら横来て」

『っ、分かりました、』

素直に従って横に乗ると、亮平くんの匂いがした
少しだけ懐かしい落ち着く匂い

「A、あの時はごめん」

『私も、ずっと謝りたかったです』

「転勤は仕方なくて、」

『分かってます。』

「進路、大丈夫そう?」

『まぁ、はい。』

ほぼ諦めかけてます。なんて言えるはずもなく
下を向いて頷いた

「その感じだと、覚悟出来てなさそうだね」

『そりゃ、まぁ、わかんなくて』

「んー、そっかぁ、はーあ、これどうしようかな」

ちらっと横を見るとそれは以前私が書いた進路希望
第1希望、亮平くんの奥さん……とかの方

『っえ!! なんで、それっ』

「Aの進路希望、ずっと持ってる」

『いや、だからなんで?!』

「嬉しかったから、かなっ笑」

『それって、え、どう言う』

「その時は担任の先生だったから、言わなかったけど正直めっちゃきたんだよね、笑」

それって、どう言う意味ですか、って聞けなかった
やっと出た言葉が

『せんせー、』

「亮平くんって呼んでたくせに、辞めちゃうの?」

ぁあ、なんてあざとくて狡い人なんだろう。