タイトル未定 (ページ15)

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貴方side

『えっ、』

たまたま、先生達が話しているところを聞いた
「阿部先生、転勤かぁ……」「寂しくなるね」なんて言ってる

『てん、きん?』

「おー、A」

『バカ!! 来年も一緒にいるって、思ってたのに』

「え、あー、転勤の話? もう聞いちゃってたか笑」

そんなふうに笑わないでよ、もう会えなくなるの辛いよ
私をあやすかのように伸びてきてた手

『っ、ヤダっ』

「っわ、」

初めて払い除けた手、強く叩きすぎて廊下に乾いた音が響いたその瞬間後悔したけど何も言えなかった

『もう、知らないっ、ばか』

「あ、ちょ、Aっ!!」

進路希望だって真面目に書いた
「お前なら受かるよ、俺手伝うし」って言ってくれたのに
嘘じゃん、嘘つきじゃん。

『だいっ、き』

大嫌いになりたかった
桜の蕾が少しずつ開く度に、別れが近づく

『ねぇ、咲かないでよ、っ、』

そんな願いも虚しく、亮平くんはこの学校から姿を消した
最後まで何も話すことなく終わった

「いいの、阿部先生の事〜」

『いい、知らない』

そんな会話を友達と何回も繰り返した
いいわけないのに、知らない事ないのに

そんな中、新学期が始まり
担任の先生も亮平くんじゃない人になった

「Aー、お前の進路なんだけど」

『……はい』

「いいと思うぞ、頑張れよ」

『あ、はい、ありがとうございます』

進路の事なんて3年生になれば毎日のように話す
そんなこと分かったことだったのに

『どーでもいい』

なんて思うようになったのは、誰のせい??