タイトル未定 (ページ11)

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貴方side

「Aさん、Aさん!!」

『なに〜?』

「今日終わったら、飯行きません?」

『えぇ、どうしようかなー笑』

毎日のように後輩に誘われる
行きたくない訳では無いんだけどね、、

「おい、お前ら仕事しろ、残業させるぞ」

「っ、すみません!!」

「Aも、前向いて仕事しろ」

『はーい、すみません』

「岩本さん怖ぇ…、じゃ、Aさんまた後で!!」

ぶんぶんと手を振って戻っていくので手を振り返して
前を向いて仕事に戻った

定時を過ぎたら一目散に後輩が駆け寄ってくる
まるで子犬のようで可愛い

「飯行きましょ!!」

『ごめん、見ての通り終わんなくて』

「俺手伝いますよ」

『いいよ、悪いし』

「早く終わらせて、飯行きましょうよ!!」

どれだけご飯に行きたいのか、なかなか引き下がらない
返事に困っていると腕まくりをした岩本さんが立っていた

「これ、新プロジェクトの件だから」

「あっ、そうなんすね、」

「お前に出来ること無いよ」

「…そうっすね、すみません。帰ります」

あからさまに肩を落とす後輩にチラッと岩本さんを見る
バッチリと目が合ってしまえば冷たく見下ろされる

「じゃ、Aさん、また今度!!」

『お疲れ様〜』

手を振りながらその後輩を見送って、気付いたら周りも定時で帰っていた。なんてホワイトな会社なんだろう

ぐるっと椅子をパソコンの方に向け、両手をキーボードの上に乗せた瞬間、視界がぐるりと元の場所に戻された

「ムカつく、」

『まぁまぁ、そう怒らないで』

「“また今度”とかねぇから、」

『嫉妬ですか? 岩本さん』

「ねぇ、うるさい。あとその岩本さんも嫌だ。」

そう、私たちは内緒で付き合っている。