スノ日常 6

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『あ、ごめん。家何も無いわ』





生憎、食材から水分まで何一つない





貴｢ついでに、コンビニで買って行こう｣


『ん、おっけー』







さりげなく繋いだ手、一瞬びっくりしてたけど
何事も無かったかのように手を絡めた







『おっ、素直じゃん』



貴｢やっぱり駄目、外だし…｣



『それもそうか…』









呆気なく離せばAの顔は寂しそうにする









『これ居る？』


貴｢うん！買う！｣









他から見たらカップルに見えるのかなーって
多めに買った食べ物を持って帰る帰り道







俺たちはまだカップルじゃない








貴｢1個貸して？｣


『重いからやーだ』








好きな子には持たせたくないし、カッコつけたい
Aは不満そうな顔するけど、俺は嫌だ







貴｢持ってくれてありがとう、笑｣


『うん笑』







Aのそーゆー所が好きだったりする







『着いた〜』


貴｢なにか作ろうか？｣


『え、まじ？食べたい！！』








コンビニで買った材料を見てキッチンに立つA
新婚さんってこんな感じなのかな






『てかさ、話って何？』


貴｢あー、後でちゃんと話すから！｣









ちょっとAが照れた気がするのは俺だけかな…









キッチンに立つAを見るのがシェアハウス(あの頃)から大好きだった









そんな姿を見ていると
見るだけじゃ物足りなくて後ろから抱きしめた









『A、好き』



貴｢ちょっと、危ないよ笑｣



『Aは？俺の事好きじゃない？』



貴｢もーー、今言わないでよ…｣









後ろからでも見えるAの真っ赤な顔
もう俺分かっちゃった…









『それってさ、脈アリだったりする…？』



貴｢さ、さぁ…笑 どうでしょうか｣








本当に嘘が下手なんだけど








『俺は好きだけど、Aは？』







ほら、早く降参してよ






貴｢うん…笑｣



『うん、じゃ分かんないし。こっち向いて』







少し強引に振り向かせれば
りんごのように赤い顔、貴重だわこの顔









貴｢…好き、です｣



『俺も、好き』









どんだけ待たせんの、
もう絶対誰にも渡さないし、俺だけのAだから









『やっと俺のものになった』









そんな俺らのお話です。

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