大 ページ5
「A」
『何？』
「俺がさ、もし同じことを聞いたら
お前はなんて答える？」
『ほほー、随分と分かりきったことを聞くのね』
「はぁ？分かりきってんのか？」
『うん、あったり前でしょう？』
「ふーん
それで、何て答えんだよ？」
『……分かりきったことを答える必要なんて、無いでしょ？』
それは聞くな、ということか。
俺は置き去りになっていたカッターを胸ポケットに戻した。
帰ろうか、と彼女が一歩体育館の外へ踏み出すと、とたんに夕日は彼女の全身をとらえた。
彼女の身体は赤く染まる
人は、こうやって死ぬのだろうか。
『…どしたの花巻』
「いや、何でもねぇよ」
『ふーん
じゃ、帰ろっか』
職員室に向かい溝口君に鍵を渡すと、まだ帰ってなかったのかよと驚かれた
自主練っすよ、私はその付き添い〜、と彼女が見え見えの嘘を吐いても溝口君は何も言わず呆れた顔をして早く帰れよ、といい職員室の扉をピシャリと閉めただけだった。
靴に足を押し入れながら下駄箱を出ると、先程までけたたましく鳴いていたカラスは家に帰ったようで、静けさだけが残っていた
どうやら夕日が追い立ててしまったようだ
隣で呑気に話す彼女は先程何が起こったのかを忘れたかのようにやれあそこのシュークリームは美味しいだの、やれコンビニの新作のアレ食べたいだの騒いでいる
後半からはもうシュークリームの話しかしなくなった
こいつ、こんな甘党だっけ
しかし、いくら大好きなシュークリームの話をされたところで今はそれに気が回るほど俺に余裕はなかった
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ナナシ(プロフ) - ありがとうございます 頑張ります 応援どうもです。 (2017年10月10日 22時) (
レス) id: 0bd29f1c62 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ - いっつも面白いです 更新、頑張ってください！ (2017年10月10日 21時) (レス) id: 80316e3efe (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ(プロフ) - マジすか、あざます。頑張ります ファイトします。 (2017年10月9日 20時) (レス) id: 0bd29f1c62 (このIDを非表示/違反報告)
みなこ - いつもナナシさんの作品楽しみにしてます！更新ファイトです！ (2017年10月9日 20時) (レス) id: 932a4722ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：季節の野菜を添えて。 | 作成日時：2017年10月9日 17時
