い ページ4
ただ同時に、実際に死んでみた後のことを考えた。
脳裏にはまず両親が浮かんだ。
きっと自分達も楽しみにしていた息子の将来が奪われたことを酷く嘆くのだろう。
次にチームメイトの姿も浮かんだ。
たった一人のマネージャーと仮にも後輩を引っ張っていかなければならない立場の三年生がある日忽然といなくなって、皆はどう思うのだろうか
俺は特に目立つ訳じゃない
が、少なからず及川は泣く
きっと岩泉は表情を歪める
松川は顔に出さずにきっと悲しむ
俺のために心の隅を蝕まれる人は必ずどこかに存在する
自惚れではない。
結局誰にも被害を被らずに好き放題死ぬことが出来る人間など、存在はしないのだ
そしてまず死ぬなら部屋に書き溜めてあるポエムノートを燃やさなければいけない。
あれを見られるぐらいなら死ぬほうがマシだからな。
……あ、矛盾か
まぁ、だから。
「俺は、お前とは死ねない」
振り絞った声は尖ることを忘れていた。
知らない声だった。
落ち着いていて、淀みの無い彼女のような声だった。
彼女は視線を俺から逸らさないまま表情を変えない
そして、カッターナイフを脇に起き、俺の上から退いた
『そっかぁ』
「おう」
『ありがとね、スッキリした』
警鐘は止んだ。立ち上がった彼女は無言で閉じていた重い扉を押し開く。
ガッガラ、と言う立て付けの悪いドアの無機質な音と共に現れる体育館の床に壁が赤茶色く光っていた。
俺はそれを眺める背中に、一つ気になったことを問う。
俺が彼女と同じことを聞いたらどう答えるのか
純粋な疑問だった。
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ナナシ(プロフ) - ありがとうございます 頑張ります 応援どうもです。 (2017年10月10日 22時) (
レス) id: 0bd29f1c62 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ - いっつも面白いです 更新、頑張ってください！ (2017年10月10日 21時) (レス) id: 80316e3efe (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ(プロフ) - マジすか、あざます。頑張ります ファイトします。 (2017年10月9日 20時) (レス) id: 0bd29f1c62 (このIDを非表示/違反報告)
みなこ - いつもナナシさんの作品楽しみにしてます！更新ファイトです！ (2017年10月9日 20時) (レス) id: 932a4722ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：季節の野菜を添えて。 | 作成日時：2017年10月9日 17時
