我妻善逸 ページ2
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『好きです、善逸くん』
「えッッッッッッ!?!まじ!?まじで言ってんの!?それ!!」
任務を終えた帰り、聞き慣れた声でそんな言葉が耳に飛び込んできた。何事かと、こっそり覗いてみたら善逸といつしか助けてあげた女の子の姿。
『初めて会った時から好きでした。付き合って下さい!』
「えぇ!ほんと!嬉しいなぁ!」
(そこ、喜ぶんだ。善逸、可愛い女の子好きだもんね。仕方ないか。)
ズキズキと痛む胸に知らぬふりをしてその場を離れようとしたら、いつもと違う真面目な声が聞こえて立ち止まってしまう。
「嬉しいのはほんと!でもごめんね。俺凄く大切な人が居るんだ。こんな弱い俺でも守ってあげたいって思える程に大切な子が」
『...え?』
「今、俺はその子に悲しい思いをさせてる。だから、ごめん。俺は彼女に笑ってて欲しいし、俺が幸せにするって決めてるから」
『....そっか。分かった。ありがとう』
パタパタと走り去る音が聞こえた。きっと女の子は泣いていたに違いない。でも、それよりも、善逸がそんな事思ってたなんて予想外。驚きでその場に立ち竦んで居たら、大好きな匂いに包まれた。
「!善逸..」
「不安で泣きそうな音がしてる。ごめんな」
「い、いいの、ちゃんと..断ってくれたから」
首を横に振って平気な素振りをして見せたら私の両肩を掴んで真っ直ぐに見詰められた。
「俺は炭治郎や伊之助みたいに頼り甲斐なんてこれっぽっちも無いかもしれないけど、それでも、君を守りたい気持ちは誰にも負けない。だから、俺の側にずっと居て欲しいんだ。初めてだよ、誰かの為に命を懸けられるって思えたのは」
「....、」
「だから、Aには俺をこれからもずっと側で支えて欲しいし、俺の隣で笑っていて欲しいんだ」
「!うん..!」
優しい顔で、優しい声で言うものだから安心から涙が溢れそうになった。そんな私を抱き締める善逸の胸がとっても大きく感じて、堪えていた涙が溢れ出てしまう。
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らびっと - 評価300票目頂きました(言わんでいい)神作ですね。リクで、村田と後藤のお話を書いてもらえませんでしょうか。頼みます(切実) (2020年1月19日 20時) (レス) id: e04dff07ef (このIDを非表示/違反報告)
りなな - リクエストで、獪岳お願いします!! (2020年1月10日 19時) (レス) id: 7fbca9c2a2 (このIDを非表示/違反報告)
新人 - めっっっちゃいいです!リクエストでカナヲお願いします! (2019年12月21日 21時) (レス) id: 6e9936a4cb (このIDを非表示/違反報告)
りな - 凄く良かったです!!リクエストで堕姫ちゃんお願いします!応援してます!! (2019年10月4日 22時) (レス) id: 55c1958e88 (このIDを非表示/違反報告)
【刃】(プロフ) - リクエストで悲鳴嶼さんをお願いしても良いですか? (2019年10月4日 2時) (レス) id: 78787ee302 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るん | 作成日時:2019年9月25日 22時