ー関西の紅一点の物語 IVー (ページ18)

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◎ 知ってる姿知らない姿ページ18

#藤原side

年下組だけじゃなくて、年上組俺らも知らんかったファンの方との話を本人から聞いた。

「⋯⋯息が詰まったみたいに言葉が出てこやんくなって、私が黙ってるうちにその人は去っていった」

話し終えて、顔を上げたA

その表情は特別辛そうな訳でもなくて、イマイチ感情が掴めへんかった

藤原「 ……そっか、ありがとう。話してくれて」

「いや、黙っててごめん」

道枝「今はもう大丈夫なんですか」

「んー、気にしてないとは言わんけど、そういう人たちの意見を覆せるように頑張らなって思えてるから大丈夫」

それを聞いて、聞こえるか聞こえへんか分からんくらいの声量で、” 強いな ” と誰かが呟いた。

⋯⋯⋯⋯強いんやない。

強がってるだけや。

そう思ったものの、その強がりを無理やり崩す気にはなれんくて、言葉を飲み込んだ。

西畑「 Jr祭りの話って聞いてもええもん？」

「詳しく言うの地味に恥ずいんやけど。でも大体さっき話してた通りやで」

色々端折ってはいるけど、確かにあの日話した内容の概要はなにナチュで語られてた。

「大吾は気づいてた？私が辞めようとしてたの」

西畑「 ⋯⋯うん、そういう感じのこと考えてんのかもって思ってた。」

西畑「でも、無理やり引き止めんのも違うと思ったし、なんて声掛けたらいいかとか全然わからんくて」

俺らもそう。

Aが来た次の日の朝、いつもより早く目が覚めた。

それは大橋も同じで、二人で朝からちょっとだけ話して二人揃ってAがほんまに辞めるんちゃうかってヒヤヒヤしたし、
『どんな結論でもAの出した答えなら文句は言わん』
って言ったけど、不安で不安で仕方なかった

メンバーの誰よりも長くAを見てきたし、
Aが今までどんな経験をしてきたかも知ってるからこそ、
”辞めるな” なんて軽々しく言えへんかったのも事実

西畑「 Aの判断に委ねようと思ったのもほんまやけど、自分が声掛けて、悪い方向に進むのが怖かったんかもしれん。」

” ごめん ” と言って俯いた大吾の姿は、なにわ男子を結成してから初めて見る姿やった

「全然ええよ、私がその立場なら同じこと思ってたと思うし」

” 大吾が悪く思う必要ない ” と言いながら、Aは大吾の背中をぽんぽんと叩いた。

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