ー関西の紅一点の物語 IVー (ページ14)

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◎ 夢にまで見たこの日ページ14

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11月12日

人生に一度の、15年間夢見たデビュー日

0時になる瞬間はひとりで居た。

日付が変わる少し前から動き出していたグループLINEに、「おめでとう」の5文字だけ打って、みんなのやり取りを眺めてた

日付が変わったから実感が湧いた、なんて感覚はなくて

むしろその前からプロモーションで忙しくさせてもらってたから、実感という実感はその時に既に湧いてた

プロモーションで朝からワイドショーに出させてもらう為に、朝は早起き

一生残るデビュー日の映像に、寝不足のパンパンな顔で出る訳にはいかんと思っていそいそと寝た。

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朝のワイドショー

太陽の塔での僕空収録

飛行機での移動からの報道陣の前でフル披露

そしてMステに出演してYouTubeの生配信

今までに無いくらいの分刻みのスケジュールは、一日をあっという間に感じさせるには十分すぎる過密スケジュールやった。

ホテルに戻って、お風呂も済ませて、もう寝ちゃおかななんて寝転がった途端部屋に鳴り響く呼び鈴の音

「はーい」

覗き穴も確認せずに扉を開けた先に居たのは和也

大橋「あほ」

え、ドア開けて第一声それ？

大橋「覗き穴確認してチェーンかけたまま開けやって何回言うたらわかんの！」

「あぁ、…ごめんごめん」

昔から色んな人に時々この注意をされ続けてるけど、あの事件以降大吾、丈くん、和也から言われる回数が増えた

多分、3人にとってあの日の出来事が、私と同じくらいトラウマになってるんちゃうかなって勝手に思ってる

大橋「ほんま、気いつけてや。もうあんな目に遭わせたないねん」

少し悲しそうに眉を下げてそう話した和也に申し訳なくなって「ごめん」とまた一言謝った

大橋「俺なにしに来たんやっけ？」

「いや知らんわ」

と思えばぽかんとしてるもんやから要件を聞くとこの返事

大橋「 ⋯⋯あ、せや！みんなでなにナチュ見よかって話になってんけど、見やん？」

そう言えば今日は忙しすぎてまだ見れてなかったな

言われへんかったら忘れてた。

どうせ寝るだけやったし、

「あー、じゃあ見よかな」

と二つ返事をしてみんなが集まってるらしいみっちーの部屋に向かった

そういえば今週私の回やったっけ、と思い出したのはみっちーの部屋に入る直前の話