217 ページ17
部活だねぇ……！
それから3時間くらいのたうち回っているAちゃん。
微弱陣痛から含めたらもう半日以上この状態だ。
そして運ばれてきた昼ご飯も食べられず、今来た夜ご飯に怒りが収まらない。
『食べられるわけないじゃん！こんな痛いのに！！』
「俺が食べてもいいって……」
『食べられない人を目の前に何で食べんの？！薄情者！！テニスボールは誰がやんの？』
ふぁー、理不尽……(笑)
「俺だけど。もったいないし……俺も腹減ってるし……？」
『あたしのが減ってる！！』
「じゃあ食べる？」
『食べらんないって言ってんの！！』
「分かったから、ね？」
『んん？うわーーーー！破水！！』
「わーーーーー！助産師さーーーん！！破水でーーーーす！！」
破水したらどんどん痛みが強くなったのか、俺の手が折れるほど握って痛みに耐え始めた。
あーーー早く分娩台行かせてあげてくれ……！！
それからしばらくすると、うっかりまどろんでしまっていた俺に暴言を吐きつつ、やっと分娩室へ。
『な、なんでこんなに痛いのに歩かされるのか？！ここは地獄か？！』
「分娩進むって言われたでしょ？」
『ゔゔゔゔゔ……！！あの助産師めっ……！！先にさっさと歩きやがって……！！覚えとけよ……』
「仕事だから。意地悪で言ってんじゃないんだよ？すぐそこだから」
『くそっ……！！陣痛の波をすり抜けて必ずたどり着いてみせるっ……！！』
「その調子その調子」
数メートル先の分娩室に行けなくて、廊下で蹲りつつ着いたのはいいけど
分娩台に自分で上がれなくてまたキレてる。
こんなにキレるAちゃんは見たことがない。
人が人を産むと言うのは我を忘れるほど命懸けだということだ。
『上がれるわけがなかろう……』
「腰支えるから！ほら！子宮口開いてるかもよ？」
『じゃなかったらこの苦労は報われん！！ぅううううう！！』
＊「はい、松本さーん。足乗せようか。ここねぇ」
『この苦行の末たどり着いた台に自ら乗れと言い放った挙句、ここに足を乗せるなど、至難の業……お産、奥深し！！』
いや、誰？(笑)
頭おかしくなったんか(笑)
『いいいい痛すぎるじゃないか！！』
＊「松本さんが帝王切開しないって言うからでしょ？はい、もうちょっと足乗せてー。頑張ってー」
慣れたもんで、Aちゃんがキレ散らかしてるのに、お産の準備を進めていく助産師さん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 484人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鈴(プロフ) - ひろさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございました！作品は全て残しておくので、暇つぶしや現実逃避にお使いください（笑）本当にありがとうございました！！✨ (1月11日 23時) (
レス) id: f99e8ea2a0 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 鈴さま、完結おめでとうございます。そしてありがとうございます✨本当に楽しく読ませて頂きました。鈴さまのお話が大好きなので「終らないで〜」と、思いながら読んでおりました。寂しくはなりますが、作品は残して頂いただけるようなので、またここにきます! (1月11日 21時) (レス) @page24 id: eac3027fa7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴
| 作成日時：2023年12月9日 0時
