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翔「無事に双子ちゃんたちが産まれてくることを祈るよ」
和「もちろんAちゃんのことも心配してますよ。お兄さんたちはね」
『ふふふ、はい。分かってます』
健診の後、調子が良ければおじいちゃんの施設に会いにも行った。
それはそれは喜んでくれて、毎回Aちゃんのお腹を愛おしそうに撫でるおじいちゃん。
“はち切れそうだ(笑)”
なんて顔をしわくちゃにして言う。
『産まれたら見せにくるから。それまでは元気でいてよ？』
“ひ孫の顔を見るまでは絶対に死ねん”
『お願いしますね』
“潤くん、頼みます”
「はい」
もうあの悲劇は繰り返す訳にはいかないからと、口にはしないけど
真っ直ぐに俺をみて強く手を握られる。
俺もその手を握り返して、施設を後にするのが最近のお決まりだ。
お墓参りには流石に行けなくて、産まれたら行くことに。
そして順調にその日は近づき入院する日が来た。
『っううううぅ……痛すぎるっ……！！お腹が爆ぜる！』
「帝王切開にしてもらう？！」
『いいいい……！下から産むー！』
おおお、強い……(笑)
お腹の子たちもおおよそ2000gを超え、37週で促進剤を使って
本日、計画分娩の始まった。
『こんなに、痛いと、思わなかったっ……！砕けるっ、腰がぁっ！！ボールで押すんだ！！尾てい骨ーーーー！！』
「はい！水も！！」
『ん"ん"ん"ん"ーーーーー！！』
「痛いねぇ、頑張れ……！」
『頑張ってるから頑張れって言うな！！』
「はい！ごめんなさい！！」
無力だな、男は。
何も出来ない。
＊「松本さーん、子宮口まだ全然開かないから、まだ分娩台行けないからねぇ」
『こんなに痛えのに？！』
思わず口が悪くなるAちゃん。
仕方ないね、未知の領域だし、なんせ男が体験したら死ぬほど痛い陣痛だし。
＊「旦那さん！ここ押して、痛み逃してあげてねー。じゃあまた来ますー」
『え、ちょっ、見捨てないでっ、助産師！！』
「大丈夫だよ、また来るから！」
『うううう、安心感の塊がぁぁぁ！！！』
人が人を産むということは、計り知れない苦痛があるというのを今、目の当たりにして
自分と愛する人がこうして命を繋ごうとしていることに感慨深くなった。
『ぼーっとしてんじゃねぇよ！テニスボール！！』
「はい！」
『ここの数字が上がってくると痛いから！見て押すんだ！！』
「はい！」
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鈴(プロフ) - ひろさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございました！作品は全て残しておくので、暇つぶしや現実逃避にお使いください（笑）本当にありがとうございました！！✨ (1月11日 23時) (
レス) id: f99e8ea2a0 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 鈴さま、完結おめでとうございます。そしてありがとうございます✨本当に楽しく読ませて頂きました。鈴さまのお話が大好きなので「終らないで〜」と、思いながら読んでおりました。寂しくはなりますが、作品は残して頂いただけるようなので、またここにきます! (1月11日 21時) (レス) @page24 id: eac3027fa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴
| 作成日時：2023年12月9日 0時
