お嬢といっしょ2 【ars/K.N】 (ページ10)

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若「こうなったのは親の僕たちのせいだ。Aを守りたいがために、何もかもを強引に進めすぎた結果だと思う。本来なら僕たちが行くべきなんだろうけど、和君1人でってことだから、申し訳ないけど頼むね」

「お任せください。僕の命はこの組に入った時から、お嬢に捧げてます。お嬢の命が助かるなら、僕の命はどうなろうと構いません」

組「和君も私たちの大事な息子だよ。和君の気持ちは嬉しいけど、危なくなったら迷わず自分の身を守る行動を」

「はい！」

若「きっと大丈夫。2人とも無事に戻ってくるのを待ってるよ」

「はい。いってきます！」

2人に見送られて、大野組まで歩いて行く。

大野組の前にA組の車が止まってるのは不自然だからだ。

人通りの少ない道を足速に歩き、職質をされないように気をつける。

電話が切れてから1時間……

お嬢の命だけを思って急いだ。

乱れた呼吸を整えながら、大野組の少し寂れたビルを見上げる。

ここにお嬢がいてくれることを願って

周りを見渡し、誰もいないことを確かめて、階段を上がる。

階段を一つ上がるたび、俺の心拍数が上がって行く。

お守り代わりの腰に隠した拳銃に触れた。

ドアノブを持ち、ゆっくりと回して中を窺うように開ける。

大野「おぉ。金魚の糞。どうやら1人で来たみたいだな。偉いじゃないか」

部屋に入ると、正面の大きなデスクの向こう側の椅子にだらしなく座って

煙草を吹かしている大野と、組員が7人俺を睨みつけた。

俺の姿を見るなり半笑いで言ってくる。

「お嬢はどこだ」

大「まぁまぁ落ち着けよ。まずは金だ。お宅の可愛いお嬢さんの命の金額を確認しようじゃないか」

見る限り、動けそうなやつが5人

お嬢に腕と足、肩を怪我させられたであろう奴らが2人。

襲われたら確実に素手じゃ不利だろ……。

「ダメだ。お嬢が無事なのを確認してからじゃないと渡せない」

大「ほぉ。随分と俺たちを信用してねぇみたいだな」

怪我をしてない5人が反抗した俺を取り囲んできた。

「うちがそっちの借金を背負ったからって、信用するわけねぇだろ。お嬢は何処だ！」

俺の大きな声に心底迷惑そうな顔して、顎で下っ端に指示する。

大「うるせぇな。分かったよ。おい！連れてこい！」

大野がそう言うと、違う部屋に5人のうちの1人のガタイのいい組員が入っていく。