お嬢といっしょ2 【ars/K.N】 (ページ35)

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和母《え？》

『こんな世界ですから……産むつもりないんです。結婚もするつもりないです……。けど、これからもかずと、ずっと一緒にいたいんです……ごめんなさい』

この組は私の代で終わりにするってずっと思ってた。

痛い思いも、辛い思いも、自分で終わりにしたいから。

自分の子どもには、こんな大変な思いは一瞬でも味わって欲しくない。

でも、かずのお母さんたちが、孫の顔が見たいって思ってるの知ってたから

これを言ったら辛くなるだろうし

だったらかずとは一緒にならないでって言われる覚悟で伝えた。

そう言われたら、私はそれでも良いって思った。

だって、それって人によってはすごく重要な事だし

かずも幸せでいて欲しいけど、かずの家族も幸せでいて欲しいもん……。

和母《Aちゃん？》

『はい……』

和母《おばさんね、Aちゃんが大好きよ？小さい頃からずーーーっと大好き。Aちゃんの屈託のないかわいーい笑顔がだーい好きなの。だからそんなこと気にしなくていいし、Aちゃんが元気でいてくれてたらいい。うちのお父さんも同じこと思ってるよ》

『え？』

和母『Aちゃんが孫みたいなもんだから(笑)また退院したら、かずと遊びに来てね？1人でも遊びにいらっしゃいよ。おしゃべりしましょ？ね？だから泣かないの。おばさんまで泣いちゃうから』

『んんっ……はい……』

和母《和のこと、頼むね？》

『こちらこそ……ありがとうございました』

電話を切ると、声を出して幼い子みたいに泣いてしまった。

少し離れたところにいた看護師さんに、背中を摩ってもらいながら、部屋に戻る。

ベッドに寝かせてもらっても、涙は全然止まらなくて

かずの家族のことを考えたら、絶対に私の家庭環境は嫌なはずなのに

嫌味を言われた方が楽になれると思ったけど

そんなこと一言も言われなかった。

それが逆に感謝してもらえたことが苦しくて……でも嬉しくて……

感情がぐちゃぐちゃになって、泣き続けた。

結局ご飯が食べられずに、その後も泣きすぎてたせいか

神経が興奮しっぱなしで、寝られなかったから

看護師さんにお願いして、眠剤で眠りについた。