79 ページ29
「お嬢は？お嬢は……かずが好きですか？」
頬に触れていたお嬢の手に、俺の手を重ねるように触れ
質問に小さく何度か頷いて、微笑んでくれる。
『うん……好きだよ？子どもの時からかずが世界で一番好き。だから私は、かずが幸せなら、かずが私の知らない人と結婚しても構わないよ？私の知らないかずがいても、私の知らない男の顔をするかずがいてもいい。かずがこの世界のどこかで笑っていてくれるなら、それで良い。かずが例え、私以外の……愛してる人を守ってるって思ったら、すごく……嬉しい。そういうの、かっこいいと思う』
きっとその言葉はどれも嘘じゃないってわかってる……。
けど、俺が求めてるのは、欲しい答えはそうじゃなくて
もう……
あぁ……頭ん中がお嬢でいっぱいで、ガンガンする。
お嬢が……
Aが好きで、好きで、好きすぎて……
気が狂う……
抑えられないっ……！
「やめてください……」
今度はお嬢の小さな手を強く握って、手を離されないように、ベッドにそのまま押しつけて
俺は視線を逸らさずに、想いを勢いよく溢れさせた。
「俺は、お嬢が俺以外の男の横で幸せになるのなんて見たくないです……」
『え……？』
いつもとは違う俺の真剣な眼差しに、戸惑いを隠せず、また瞳を大きく揺らした。
「俺を……1人の男として、見てください。この今、目の前にいる二宮和也を。A組の次期若頭と、お守り役の関係なんて無視して……。ただの、AAとして、俺を見て欲しい……」
『何……、言ってるの……』
俺の本気に戸惑っているのか、目にいっぱい涙が溜まっていって、お嬢の言葉が辿々しくなる。
「馬鹿でいいです。何と思われても……軽蔑されても構いません。俺は、A組のお嬢も勿論愛していますが、AAという1人の女性を愛してる。でも今の関係性が好きだから……特別な関係になりたいなんて思わない。だけど、誰かのものになるAは見たくない」
お互いが視線を逸らせずに、見つめ合ったまま、無言が続く。
『本気……だよね？こんな世界って分かってるんだよね？』
「はい。何もかも十二分に理解した上で伝えてます。覚悟はできてます。この感情が例え許されないものだとしても。だから俺は、指を詰められてもいいです。刺青を彫ってもいいです。お嬢と……Aと俺が死ぬその時まで一緒にいられるのなら、何だっていい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 463人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴
| 作成日時：2020年12月18日 14時
