お嬢といっしょ2 【ars/K.N】 (ページ11)

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そのドアから、ぐったりとしたお嬢を乱暴に抱き抱えて戻ってきて

目の前の黒い皮張りのソファーに、投げるように置いた。

「おい！うちのお嬢に何した！」

お嬢の細い手首は後ろ手に、足首、膝、太腿もきつく縛られていた。

しかもワンピースだからか、少しはだけて、胸と内腿の刺青が見えている。

いつから縛られてるか分からないけど、真っ白な肌は少し赤黒くなってしまっていた。

大「あまりに威勢が良いもんだから、キッツイ睡眠薬を飲ませただけだ」

「やべぇ薬入れたんじゃねぇだろうな！」

大「随分と疑うなぁ。悪りぃけど、こっちはラリった女を抱く趣味ないの(笑)」

「ふざけんな！お嬢はお前らなんかにやらない！」

殴りかかろうとした俺を大野組の奴らが、俺の両側から手首を掴んで来ようとしたから

「触んなっ！」

＊「っゔ……！」

アタッシュケースで隣のやつの顔面を殴って

回し蹴りで後ろのやつの首を蹴る。

2人がかりで殴りかかろうとしてきたから、それを避けながら殴って

目の前に来た奴がナイフを出してきたから、胸ポケットに入れてあったナイフを俺も出した。

「んだよ、来いよ……」

ナイフをさらに突き出して威嚇してやる。

大「うるせぇ！ほら、早く金よこせ。お嬢連れてきてやったろ？」

「まずはお嬢をこっちに渡せ」

＊「ナイフしまえ」

「てめぇが先にしまえ」

威嚇し合う俺らに、また半笑いで大野が口を出してきた。

大「刺してもいいが殺すなよ？(笑)殺すならお嬢さんが目覚めてからだ。大好きな金魚の糞が痛めつけられるところ、見せてやりたいからなぁ」

大野の言葉に、ナイフを持っていたやつが、不気味に笑いながらそっと胸ポケットにしまうけど

俺はしまわず、威嚇したまま。

いつでも刺せるように。

「ふざけんなよ！お嬢にそんなとこ見せんな！」

大「金魚の糞にはそうだなぁ……お嬢さんの快感に歪む顔でも拝みながら死んでもらおうか(笑)」

「そんなことさせるもんか……！」

『かず……？』

「お嬢！お嬢大丈夫ですか？！」

俺らの声に目を覚ましたのか、ぼんやりとした声で俺を呼んだ。

『あぁ……ごめんね』

微かに開けた瞼の隙間から俺を確認して、そう言いながら、口角を小さく上げた。

「いっ……！」

俺がお嬢に気を取られている間に、右腕を切りつけてきて

虚ろなままのお嬢は微動だにせず、また目を瞑ってしまった。