お嬢といっしょ2 【ars/K.N】 (ページ2)

今日:10 hit、昨日:3 hit、合計:100,601 hit

52 ページ2

『どうして……？』

「何がですか？」

『どうしてそんな窮屈なことするの？』

声を震わせ、下唇を噛んで泣き出してしまいそう。

ほら。

泣きそうな顔まですげぇ可愛い。

そういう顔に男が弱いことも、涙がそういう欲を余計に煽ってしまうことも知らないでしょうが。

「お嬢が大切だからですよ。組の頂点に立つお嬢を守るのがかずの役目です。何度言ったら分かるんですか？」

『……好きであんな家に生まれたわけじゃないもん』

あー、もー。

ムカつくなぁ……。

お嬢のシートベルトを外して、手首を持って押し倒してやる。

驚いて何も言えないお嬢の身体に跨って、見下ろす。

溜まっていた涙が一筋、耳の方へと流れていった。

「心配だって言ってんのが分かんねぇのか？空手習ってたからって、酔ったお嬢なんて、その辺の男からしたらただの普通の女なんだぞ？」

『かず、やめて……？』

「やめねぇよ。こういうことされる可能性があるかも知れないって言ってんのに行くんだろ？だったら、その前に俺がしてやるよ。ゴミみてぇな男に穢されるくらいなら、俺がお嬢を抱いてやる」

胸元に強く吸い付いて、噛み付く。

お嬢の手首が折れるほど、強く握って、皮張りの椅子に貼り付けた。

俺の唇にはお嬢の肌、少しだけ舐めたから舌にもダイレクトに感触が伝わってきて

こんなところで、これ以上するつもりなんて絶対にないけど

お嬢への愛と怒り

男としての昂奮

お嬢と付き人としての関係性のお陰で背徳感と嫌悪感

ぐっちゃぐちゃになったいろんな感情が俺の身体の中に充満して、気が狂いそうだった。

『ゃっ……かずっ……やだっ』

耳元で啜り泣くように俺の名前を呼び、僅かに首を振って抵抗するお嬢。

ほら、俺にさえ抵抗出来ないくせに、知らない奴に出来るはずなんてないんだ。

「泣くなら……このくらいで泣いてしまうなら行くのをやめてください。お嬢はいつまでも今のお嬢でいて欲しいんです。純粋で清いまま……かずは、他の男なんかに不本意に抱かれて欲しくないです……。もしするのなら、したいのなら、ちゃんと好きな人と、ちゃんと愛し合ってそういうことをして欲しいです」

お嬢の身体を起こし、涙を拭う。

その震えていた華奢な身体を抱き寄せ、そっと抱きしめた。