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指を折って数えながら、ニッコニコしながらお礼を言ってくれる。
それなんなの、可愛い！！
「えぇ？そんなん良いよ。俺も大好きだよ。でも、お言葉に甘えていただきます！にんにく気にしない？今更だけど」
『潤も食べてるから気にしないです！』
「一緒だから分かんないか(笑)」
『ふふ、うん！』
美味しいねぇって言いながら食べたそのあと
今日は寮まで送って行ったんだけど
「離れたくないなぁ」
『ねぇ。早くお家できないかなぁ。そしたら潤もお泊まりできるのに』
お互い離れ難くて、車の中で門限ギリギリまでおしゃべり。
「家出来たら寮出るの？」
『迷い中です。みんなと離れるの寂しいけど、やっぱりお家は人がいないと、どんどんさびれちゃうし。祖父の着替えもあの家にあるし、何かとあの家は定期的に管理しないといけないものが溢れてて』
「管理？」
『大体は着物なんですけど。祖母の実家が老舗の呉服屋さんで。頂いたり、買い取ったりして。全て結構良いものなので、干したりしないといけなくて』
「そりゃ大変だね！」
『うん。だいぶ処分はしたんだけど』
そういやこの前、大きくて立派な桐箪笥あったかも。
あの中、全部着物なのかなぁ。
だとしたらめちゃくちゃ管理大変そう。
「そっかぁ。花火大会に来てた浴衣も可愛かったもんね！あれもちゃんと採寸してもらったの？」
『そうそう。仕立ててもらったの』
「じゃあ振袖も仕立てたてもらうの？」
『ううん。それは母の着ようと思って。すごく素敵なの。紫のシンプルなやつ』
絶対似合うだろうなぁって想像して、勝手に感慨深くなってしまった。
「紫、好きなの？浴衣も紫だったよね？」
『うん。母が好きだったんだけど、私も好きぃ。夢の国のお姫様みたいだから』
「あぁ、高い塔の上に閉じ込められてたお姫様？」
『そうそう！あのお話大好きなの』
「そっかぁ」
『あぁ、もう時間。早いなぁ』
華奢な手首につけられた、細身の時計を見て、寂しそうに俺を見るから
俺だって離れたくないし、帰したくないけど、その気持ちをグッと抑えた。
「しょうがないけど、またバイトでね？」
『はい！潤も気をつけて帰ってね？』
「Aちゃんも学校気をつけてね」
『うん！おやすみなさい』
「……の前に、またねのキスね？」
『んふふ、はぁい』
本当は深いのしたいけど、したら本当に帰してあげられないから、軽いのをいくつかした。
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作者名：鈴
| 作成日時：2020年12月16日 14時
