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「は？ダメに決まってんじゃん」
翔「あんたはね？」
「ふざけんなよ」
翔「そっちこそ、教師たる者、朝からそんな顔すんな。仕事しろ」
「おい！」
俺がさらに不機嫌になるのもお構いなしに、そう言って自分のクラスへ歩いて行く。
「はぁ……」
教室に行くなり生徒たちに
二宮先生、機嫌悪くない？！彼女と喧嘩したの？
なんて言われて、あー、大人としてダメだなぁってつくづく思って
適当にうるせーって誤魔化して、1日を終えた。
理科準備室から音楽準備室を見下ろすと、またAは電話していた。
俺のメッセージは既読にならないのに。
その様子を見て、音楽準備室からは出なさそうだと判断して
やっぱ直接謝りに行こうと決めて、早足で音楽準備室まで急ぐ。
階段を一つ飛ばしで上がって角を曲がると、櫻井先生がドアに引っ付いて、聞き耳を立てていた。
「何してんすか、そこで」
翔「しー！A先生、なんかめっちゃ怒ってる！」
小声で話しかけた俺に、眉間に皺を寄せながら、ドアを指差して言ってくる。
「あぁ？」
いけないとは思いつつ、俺も聞き耳を立てた。
『いや、だから。私じゃないって言ってんじゃん。何回も電話かけて来ないで。こっちは貴方みたいに暇じゃないの』
『会いたくないって言ってんのわかんない？』
『はぁ？してないから。貴方の周りの馬鹿な女たちと一緒にしないで。そんな低脳じゃないわ』
時々不機嫌な相槌を打って、聞いたこともないくらい冷たい声で話している。
相手はきっと話しの内容的に元彼だ。
相手の声は聞こえないけど、Aの声はよく聞こえるから
もしかしたらドアの近くで話しているのかもしれないと思った。
『あのさ？信用出来ないとか言われて貴方の前でSNSもアカウントごと消したでしょ？それから一切やってない。それに2人の写真だって一枚も撮ったことないし、仕事の話だって絶対私から聞かなかったじゃん。私がどんな気持ちで付き合ってたか分かる？辛くても悩んでも誰にも言えないし、貴方がキャーキャー言われてもヤキモチも妬けなかったし、住む世界は違いすぎたけど、好きだったの。なのに何で一年以上経ってるのに、今更貴方を裏切るようなことを私がしなきゃいけないわけ？別れた人を貶めるほど私の心腐ってないし荒んでもない』
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作者名：鈴
| 作成日時：2020年11月12日 20時
