ヒメユリコンペティション2【ars/K.N&S.S】 (ページ17)

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別に結婚がしたいわけじゃなくて……

なんていうか……

ちゃんと愛されたいだけなんだけど、それが一番難しい事で

この面倒な性格の私と本気で向き合ってくれる人なんて

結局どこにもいないって思っちゃう。

だからやっぱり断ろ……。

二宮先生の時間が勿体無い。

A先生どこで飲んでんだろ……。

場所はもちろん、ヒントなんて教えてもらってないから分かるはずなくて。

でも確かにあの場の酒は美味くなかったよなぁと思って

前から気になってたけど、行けなかった隠れ家バーみたいなところに行くことにした。

真っ白な壁に小さなアンティークのライトがついてて

その下には、金色の文字で店名が照らされている。

半地下みたいになってるから、階段を降りてゆっくりとドアを開けた。

和「え？」

『うそ……』

A先生発見……(笑)

俺を見た瞬間、気まずそうな顔で笑った。

そんな顔しないでよー。

和「A先生、みーつけた」

『わぁ…… 二宮先生来たから帰ろうかな(笑)』

和「いやいやいや。ダメですよ。せっかくなので一緒に飲みましょ！」

隣に座ろうとしたら、バーテンの女性が

浦「良かったら2階の席空いてるんで、使ってください。ね？せんせ？」

ふわりと綺麗に笑って、2階席に視線をやった。

えーって渋るA先生の手を引いて、お言葉に甘えてって、強引にその席に連れ行く。

高級そうな皮張りのソファーで、片側しかないから

A先生を奥に座らせて、俺も座った。

『近いぃ……』

和「近い方がいいでしょ？とりあえずなんか頼も」

適当に若い男のウェイターにカクテルを頼んで、A先生の顔を覗き込んだら、めっちゃ迷惑そう(笑)

和「さっきからそんな顔しなくてもいいでしょうが」

『仕事モードになっちゃったなぁ』

って唇を尖らせていじけて言う横顔が、あどけなくて可愛い。

和「ここ、よく来るの？」

『うん、来るの。ここ大好き』

飲みかけのグラスに長くて真っ直ぐな指を滑らせている。

その先の、薄いピンクの艶やかなネイルが色っぽい。

和「ねぇ、何でそんな声甘いの？(笑)酔ってる？」

『……酔ってる』

和「あら。今日の酔い方、可愛いじゃん」

『んふふ、騙されないもん。そんな言葉に。誰にでも言ってるんでしょ？』

俺の目を見て、首を傾げた。