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「確かに関係性にもよるか。俺はさ、そいつと結構仲良いと思ってんの」
『友達？』
「友達？んー、まぁそれでいいや」
『友達から恋人って難しくないですか？』
「だから困ってんだけど」
『贅沢ですね、その方。こんなかっこいい人悩ませて。顔が見てみたいです。とんでもねぇ美人なんじゃないですか？』
聞きたくない、聞きたくない、聞きたくない。
なのに、この内容で会話が途切れてしまうのが嫌で、うっかり聞いてしまった自分に心底むかついた。
ていうか、何で今日に限って待ってるわけ？
家で待ってればいいじゃん！
私の隣で椅子に呑気に座ってくるくる回ってさ。
邪魔だし。
「とんでもねぇ美人ではないけど、俺にとってはとんでもねぇくらい可愛い」
『……先輩は可愛い系がお好みで』
「いや。今回好きになったのが、可愛い感じの人なだけで、別にタイプとか好みない」
『へー』
でも、ある程度顔は重要だと思うんだよな、そう言いつつも。
中身も重要なのは分かるけど。
「Aはさ。結構仲良くて、数え切れないくらいご飯行って、飲んでる関係だけど、好きじゃないやつに告られたらどう思う？」
『でもその何回も会う時点で嫌いじゃないと思うんで……時間くれって言いますかねぇ』
「そっかぁ」
『ていうか、私に恋愛相談なんてしても何にも参考にならないと思いますよ。クズとしか付き合ったことないんで』
「な、てか、終わった？」
『松本さんに邪魔されてるんで終わんないっす』
……やっぱ合コン行けばよかった。
あとちょっとで終わるっていうから、一緒に帰ろうとAを待っている。
話の流れから俺の好きな人の話になってしまって
なんとなく伝えるわけじゃないが、お前だよみたいな雰囲気を出しているのに
全く気付かないA。
だよなー。
俺をそんな風にみてないよな。
分かってるよ、分かってる。
『終わったー！』
「お疲れ。帰ろ」
『お腹空いたー！』
「がっつり食べたいな」
『あ！あー……まぁいいや』
「何だよ」
首を横に振ってちょっと渋るから、気になって問い詰めた。
『いや、作り置きのおかずあったけど、人に出すほどのものじゃないし、そんなに美味しくないのを松本さんに出すの失礼だからやめよって思っただけです』
はい、手料理を食べるチャンスー！
ありがとうございまーす！
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作者名：鈴
| 作成日時：2020年5月31日 13時
