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若「うんうん。そうだよね」
相「今日はどうしたの？」
「特に理由はないんですが、久しぶりに皆さんの顔が見たくなって」
若「そっかそっか。あ、今Aは書道教室に行ってて、もうすぐ帰ってくるからここで待っててくれる？」
「はい」
以前、お嬢と一緒に勉強していた部屋に通されて
相談役がお茶を出してくれるから、一口飲む。
相「和君、すっかり大人の男性ねぇ」
俺の斜め前に座り、改めてしみじみと言われて、少し恥ずかしくなる。
「年齢だけは、です。中身は何も変わってません。なんか、もっと大人ってしっかりしてるのかなって思ったんですけど……」
就活失敗続きで伏し目がちに言う俺を見て、クスクス笑う相談役。
相「ふふ。みんなそうよ。うちの人だって、未だに子どもみたいにフィギュア？集めては眺めて、小学生みたいなことしてるもの。おじさんなのに」
「そうなんですか？(笑)」
相「うん(笑)だからきっといくつになってもそう思うわよ」
「そうですね」
たわいもない話をしていたら、襖がゆっくりと開くから、そちら見た。
『お母さんと……かず？ただいま』
相「おかえり」
「お帰りなさい、お嬢。お久しぶりですね？すっかり大きくなられて」
『かずも』
「かずも大きくなりましたか？(笑)」
『ふふ、うん。ちょーなった。今日はどうしたの？』
「急にお嬢や皆さんに会いたくなって、久しぶりにこちらに」
『そっか』
相談役の隣、俺の目の前に座るお嬢。
すっかり女の子に成長したお嬢に、思わず目を細めた。
この間まで、かず、かず！ってかまって欲しそうに俺にまとわりついてたのに。
女の子は成長が早いなとしみじみ感じた。
「もう6年生ですか？」
『そうだよ。かずは？』
「大学4年です」
『おっとなぁー！』
「お嬢よりは、少し大人ですね(笑)」
相談役が仕事がまだあると言って出て行って
俺たちは会わなかった時間を埋めるように、ずっと話をした。
お嬢の学校のこと、家のこと
俺のことももちろんたくさん話した。
『かずは彼女いるの？』
おっと、おませな質問(笑)
「今はいません。就活でそれどころじゃなくて」
『決まらないの？お仕事』
「はい。なかなか」
『うちのお父さんのお店、手伝えばいいじゃん。今人手が足りなくて困ってるんだって。不動産の方』
「いやいや、それは悪いです」
『かずならいいよって言いそうだけど』
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作者名：鈴
| 作成日時：2020年5月31日 10時
