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『かずー』
「はい」
『かぁず、かず、かっず、かずぅ♪』
本日もお嬢さんはとってもご機嫌です(笑)
お嬢がご機嫌だとみんなが幸せ。
お嬢の笑顔がみんなを自然と笑顔にさせる。
だから俺も勉強の片手間だけど、お付き合い。
「お嬢、お嬢、お嬢、お嬢〜♪」
『あっはっはっは！かず、おもしろいねぇ』
「面白いですね」
若頭「こら！A！和君ごめんねー、邪魔して」
「あ、いえ、全然」
この人は、お嬢の父親で若頭。
次期親分。
飲食店を何軒か経営してるかなりのやり手で、本当に優しい。
言われなくちゃわからないほど、極道の人とは全く関わりがなさそうなくらい、穏やかな人。
この人が俺の父さんの工場を助けてくれた。
父さんとは同級生で、幼なじみ。
相談役「A、上手ね？和君描いたの？」
『うん！かずもほめてくれた！』
こっちはお嬢の母親。
若頭のお店を手伝っていて、ここの相談役。
現親分の娘さんだ。
だから、若頭は婿養子ってこと。
この人も優しすぎて、極道の家の娘とは思えない。
まぁ、親分もかなり穏やかだから、遺伝だろう。
ここの家族に関しては、極道と言っても
反社会的で危険なことばかりをやるわけじゃないから、見た目があからさまに怖い人はほぼいない。
刺青がバチバチに入った人はたくさんいるけど……(笑)
若「暗くなってきたよ？大丈夫？家まで送ろうか？」
『えー！かずもうかえるのー？』
相「6時だし、和君のお家はここじゃないから」
教科書を片付けてから、ただをこねるお嬢の目線に合わせて
「また来ます、お嬢のお守りに」
そう言うと、ふてくされながら
『ぜったいね！』
「はい。約束です」
ゆびきりげんまんをして、送ると言って車を出してくれる若頭と屋敷を出た。
若「いつもありがとね。ごめんね、和君」
「大丈夫です。家より集中出来ますから」
若「ほら、年取ってからの子だからさ？つい甘やかしすぎて、おてんばで。困っちゃうよ(笑)」
「可愛いじゃないですか、それぐらいのが。僕も妹みたいで可愛いなと思います」
若「ありがとね、本当。和君のおかげでAも寂しがらずにご機嫌だよ」
「僕で良ければいつでも、お守りします」
若「頼むねー。でもまずは受験頑張って！良い学校に入って家の工場継ぐんでしょ？」
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作者名：鈴
| 作成日時：2020年5月31日 10時
