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ねぇ、Aちゃん。
実は、前の嫁との間の子どもたちとは、月に何度も会っていた時からと比べると全然会ってないんだ。
だって、俺の遺伝子なんて一ミリも入ってないって分かったから。
血が繋がってないって分かってからも、養育費は払ってはいたけど、手切金みたいなものだった。
離婚して数年経った頃、息子たちも俺とは血が繋がっていないことを薄々気が付いていたから
DNA検査して知ったんだ。
結果を見た時はショックだったけどね。
あのクソ女にもかなりムカついたけど、子どもたちは何も悪くないし。
養育費は子どもたちのお小遣いになればいいなって払い続けてた。
子どもたちから話を聞く限り、再婚相手は職を転々としてるらしいから。
まぁそのお金だって、どう使われてるかわからないけど。
子どもたちとは一応連絡先を交換してるから、会おうと思えば
もう子どもたちの意思で会えるしね。
だからさ？
俺の初めての子なんだよ、この子。
こんなにそっくりに産まれてくれて嬉しいよ。
DNA検査なんてしなくてもちゃんと俺の子だってわかるんだから。
でもこのことはAちゃんには言わないでおくね。
Aちゃんは優しいから、きっと泣いて怒って、悲しんじゃうもん。
子どもたちが成人したら、あのクソ女に法的復讐でもしてやろうって思ってたんだけど
そんなことしてる時間がすごく無駄だし
人間のクズみたいな女に離婚してからも俺の時間を割くくらいなら
その分Aちゃんとデートした方が有意義だからやめておくよ。
もうすぐ養育費が払い終わるから、そしたら3人で、いーっぱいお出掛けしよう。
写真や動画も撮って、幸せに暮らそう。
愛情いっぱいに2人で息子を育てていこう。
だってそうした方が、あのクズ女にとっては一番の復讐になるはずだから。
「幸せだね、A」
『うん！世界で一番幸せ！』
Aのそのキラッキラの笑顔が見られるなら
俺は秘密を守り続けるよ。
愛してるよ、A。
the end.
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作者名：鈴
| 作成日時：2020年5月31日 9時
