カリギュラな関係4 【ars/K.N】《完全完結》 (ページ26)

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それに結婚の挨拶以来、お母さんと連絡も取らず、会いもせずに暮らして

ある程度時間も経って、精神的にも安定しているってのもあるかも。

妊娠したことはお父さんには言ったら喜んでくれて

お母さんには生まれて落ち着いてから伝えると、俺らの中で決めて話し合った。

また口出しされてAちゃんの心が不安定になったら、そっちのが困るからだ。

穏やかで、こんなに幸せな生活を脅かされるに決まってる。

俺の女をめちゃくちゃに虐げてたやつに、また壊されてたまるもんか。

健診が終わると、ついでに手を繋いでお散歩。

『2人だけの時間も今だけだもんねぇ』

わざと大きく手を振って歩く、俺の可愛い可愛い奥さん。

性別もさっき男の子って分かってご機嫌です。

「ねぇ。ちょっとだけベビー用品見に行く？」

『わぁ！行く行く！いっぱい買っちゃいそうだなぁ』

「ねぇ(笑)」

店に着くと、2人でテンションが上がりまくっちゃって

カートにあれもこれもと入れてしまった。

『こんなに小さいの？可愛い～』

「こっちのが可愛くない？」

『可愛い！全部可愛くて迷っちゃうね！』

そして案の定いっぱい服やらなんやらを買いすぎて、帰りはタクシーで帰ってきた(笑)

それからも順調に過ごせてついにその時が来た。

『まぁまぁ痛くて、10分間隔なんだけどさ、これで病院行って良いの？』

「行こうよ！何があるか分かんないんだから！」

『わかった。……あ』
「あーーー！タオルタオル！」

ビシャーーン！って音がして振り向いたら、見本みたいな破水！！

なのに冷静な嫁！！

「タオル巻いて！ゆっくりね！落ち着いて！」

『かずさんが落ち着いたら？』

「落ち着いてられるか！あー！エレベーターが遅い！これだからマンションは！！」

『んっふふ、怒ってる』

「怒ってない！焦ってんの！」

『あー……ちょっと痛いかも』

なんとか車に乗せて、急いで病院に。

そしたら子宮口がまあまぁ開いてたらしく、分娩室から1番近い陣痛室に運ばれる。

『痛い……！』

「痛いねぇ。大丈夫大丈夫。もうすぐ会えるよぉ」

Aちゃんの背中からお尻にかけて強めにさする。

実はこう言う場面に立ち会うのは初めてで

前の嫁の時は仕事が忙しくて産まれてからしか知らない。

別に知ってたからって、前の嫁とAちゃんの状態は一緒じゃないはずだから

経験は生かされないだろうけど。