カリギュラな関係4 【ars/K.N】《完全完結》 (ページ3)

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相変わらず冷めてる。

こんなに一緒にいるのに、全然変わらない。

ツンツンのツン。

9:1でツン。

「仕方ないじゃん。好きなんだもん」

『はいはい。ていうかさ？……後悔、しないの？』

「絶対しない」

『ふぅん』

「後悔もさせない。絶対幸せにする」

『ん』

反応うっす！

でも好き！

可愛い！

そのあとなにをするにもニヤニヤしすぎてた俺に散々

『その顔、気色悪いからマジでやめた方がいいよ』

と言って来た。

気持ち悪いより、気色悪いのがなんか心にくるね！(笑)

でももういい。

サインしてくれたから。

「ねー、一緒に風呂入ろ」

『うん』

ほら、こういうとこ。

怒ってても時々素直に俺の言うこと聞いてくれるのが可愛い。

好き。

そして数日後、先に俺の両親から挨拶を済ませた。

『緊張した。でも優しくしてくれて嬉しかった』

手を繋いで、家までのんびり歩いて帰る。

夜の初めの冷たい風が俺たちを包んだから、寒いかなと思って

繋いだ手を俺の上着のポケットに入れた。

最初は繋いでくれなかった手も、今となっては、Aちゃんから繋いでくれることもある。

それほど一緒にいた証だと思うと、またそれも嬉しい変化。

「ある程度話しはしてあったからね。だいぶ年はいってるけど、何か困ったことがあったら、母さんたちも言ってたけど頼ってやってね」

『ん』

複雑な家庭環境で、母親とは絶縁状態なことを予め説明しておいた。

最初は驚いてたけど、事情を話すと納得してくれた。

俺の結婚は2回目だし

若い子が来るって、妙に嬉しそうにしてたから

今回の挨拶はスムーズだった。

「さぁ！次はAちゃんのお母さんだね！元気にしてるかな？」

わざと明るく言ったけど、隣りからは

『さぁ……』

って言う、乗り気じゃない返事が聞こえた。

Aちゃんと母親は、大学に入学した時から一度も会っていない。

本当はAちゃんの方を先に挨拶したかったけど

Aちゃんが母親に会うのをかなり嫌がっていたから出来なくて……。

無理にでもすれば良いんだけど、そうなると

円満じゃない家族関係が余計に捻れるのを恐れて出来なかった。

はっきりとは言わないけど、多分結婚したくない理由に

俺を親に会わせないといけないっていうのも含まれてる気がする。