カリギュラな関係4 【ars/K.N】《完全完結》 (ページ17)

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きっと私が傷つかないような言葉を考えてくれてる。

……言うんじゃなかった。

「Aちゃん」

『なに』

「何のために、その命が欲しい？」

『……何のため？』

「自分のため？俺のため？どっち？」

ほら。

わかっちゃった。

顔を上げると、真剣だけど、優しい瞳が私を見つめていた。

『……かずさん』

私とかずさんの足を絡めながら抱きしめてきて、頭を優しく撫でてくる。

「優しいねぇ、Aちゃんは。でもね？かずさんはAちゃんさえいたらもうなーんにもいらないの。それにすごく大変だよ？思い通りになんていかない日々が毎日果てしなく続く。そしたらAちゃんはきっと大変で壊れちゃうよ」

『でも……私もかずさんとの子ども、欲しい』

あの子たちはかずさんの遺伝子なんて一ミクロンも入ってない

かずさんの知らない、若い男とあの自己顕示欲塊クソ女との子どもなんだよ？

あのクソ女がかずさんを騙して、金と肩書きに目が眩んで育てさせてたんだよ

ってすぐそこまで出たけど、かずさんをもらうための約束だから言わない。

言いたいけど、言えない。

あの女が自分の犯した罪に踠き苦しむ姿を見るのもいいけど

それをすると、かずさんが壊れる気がするから。

かずさんが傷つくところなんて絶対に見たくない。

だってかずさんはあの子たちを、今でもものすごく可愛がっている。

『でもかずさんがいらないなら、いい』

「んー。そりゃ欲しいけどさ？俺はAちゃんの心を優先して欲しい。単純に俺だけのためなら無理しないで？」

『でも……』

「俺がとめどなく愛情を注ぐのは、この先Aだけでいい」

少し強めの口調で、耳元で言われる。

その言葉に嘘がないのが分かった。

『うん……』

「それにAちゃん、ヤキモチ妬くよ？私も可愛がってって(笑)」

『妬かないよ』

「やーく(笑)」

『……うん、妬くかも』

「でしょ？だからいなくてもいいの。俺だってAを死ぬまで独り占めしてたいから」

よしよしとまた私の頭を優しくなでる。

……こっそり病院に行ってピル、やめようかな。

数日後、仕事の合間に婦人科に行って、先生と相談した結果

薬を一度やめてみることにした。

高校生の時から不順だからどうなるか分からないけど……。