カリギュラな関係4 【ars/K.N】《完全完結》 (ページ12)

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そのかわり、愛しているということを常に言葉と態度で伝えてはいるが……。

まぁそういうのが出るパターンは俺が何かをさせたい時だから、余計にねぇ。

俺が悪いんですよ、完全に。

「可愛いAちゃんが見たいだけでしょ？命短しウザすぎおじさんの願いを聞いてくれよ。棺桶に入れて天国逝きたいの。Aちゃんのおめかししたの」

『どんだけだよ』

「計り知れねぇよ」

そのあと何度も説得して、店に戻ってもらって

店員さんにも協力してもらって、白じゃないドレスを何着か出してもらう。

『……かわいい』

「でしょー？ね！ほら！好きなの、好きなだけ選びな？」

少し気が向いてきたのか、ドレスの裾を持って、1着ずつ丁寧に見ていってる。

こうなるだろうと見越して、1日1組貸し切り限定の店を選んで良かったー！！

『あまり……背中が見えないのが良いです……傷だらけなので』

＊「かしこまりました。ではこちらはどうでしょう」

背中にある無数のタバコの痕、傷のせいで着たくないから

頑なに拒否してたんだろうとも思ってた。

けど、今の写真の技術さえあれば、そんな傷なんて消してあげられるし

真っ白で、最初から傷なんてなかったような肌にしてあげられる。

けど、それは言わなくて。

気にしすぎてるのが分かってたから、あえて俺が言うことじゃない。

『これなら隠れますか？』

＊「大丈夫ですよ。もし見えてしまっても隠しますし、編集で消せます」

店員さんの言葉をいまいち信じられないのか、うーんと唸って、ドレスと睨めっこ。

ふと視線を奥の方にやったと思ったら

『あの……着物、みたい』

＊「お着物でしたらこちらです」

案内されるや否や

『わぁ……かずさん！着物が良い！！着物なら着る！』

「いいよ。好きなの選びなさい」

『どれにしよう！迷う！』

前妻は絶対海外挙式にしろと言い張って、ドレスしか着なかったから

着物のことなんてすっかり忘れてた……(笑)

着物だったかぁ……！

全然考えてなかった。

俺が神経すり減らして説得した時間……(笑)

『どれでも良いの？』

「いいよ」

『じゃあこれ』

着物を見始めて10分も経ってないから、一目惚れしたんだろう。

薄いピンクに、桜の刺繍が散りばめられている、可愛らしい打掛。

「ん、可愛い。似合うと思う」

『じゃあドレスはかずさんが選んで良いよ。白以外ね』

「え、良いの？」

『着物着られるなら良い』