カリギュラな関係4 【ars/K.N】《完全完結》 (ページ11)

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Aちゃんに

ウェディングフォト撮りたい
ドレス着せたい
新婚旅行行きたい

と何度も伝えたが、前妻と同じことをしたくないと頑なに拒否。

特に結婚式に関しては拒否反応が凄くて

過呼吸になる程泣かれたので、流石に諦めた。

旅行は現実的に仕事が忙しすぎて無理だから

それは後回しって結論に至ったんだけど

Aちゃんにとっては初婚な訳だから

記念に写真くらいは、1日でも若いうちに残してあげたい。

けど、やっぱり何回頼んでも嫌みたいで、しまいには

『前の嫁と同じことなんて1秒もしたくないの。あんな嫁、嫌い。大っ嫌い！！その話しをしつこくするかずさんも大っ嫌い！！次したらコンクリートの塊を足にくくりつけて、東京湾に沈めるからね！』

らしい。

……沈められる前に、内緒で強行突破である。

『ねぇ、どういうつもり？』

「んー？見てよ、これ。最近は白じゃないドレスもあるんだよ？ほら、水色とか、ピンク可愛いよぉ」

俺を睨みつけて不機嫌MAX。

何日も前から飛びっきり可愛くして、久しぶりにデートしよ♡

と誘っていたけど、目的地を内緒にしてたから。

場所はスタジオ兼レンタル衣装店。

店員さんにアレコレ勧めてもらうけど、俺の可愛い子は、当たり前に気分が全然乗らない。

＊「ご主人様のタキシードはグレーも良いですが、紺も流行ってますよ！」

「ほら！Aちゃん！見て？似合う？」

身体にタキシードを当てて見せるも

ソファーに深く座って、腕と足を組んで、お口はへの字に閉じたまま、鋭く睨んでくる。

態度悪すぎです。

『……勝手にやってれば？』

「ちょっと！」

店員さんの制止を振り切り、怒り狂って店から出ていくAちゃん。

「待ちなさい」

『嫌がらせとしか思えないから』

急いで追いかけて呼び止めた。

何かのドラマかよ。

ぶっちゃけて言えば、頑固なAちゃんに手がかかるし

こういうところが子どもっぽくて、困る。

でも本当の子どもの頃に言えなかったわがままを、やっと言えるようになったのを知ってるし

それに大人がこういう試し行動みたいなのをする心理は

子どもの頃に虐待されていたことが原因としてあるかもしれないと

知り合いのカウンセラーに聞いた時に言われたから、強く責められない。

Aちゃん自身も分かってはいるけど、なかなかやめられないのも伝わってくるしね。