ダールベルグデージー6【ars/K.N】 (ページ7)

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「いただきます。あ、うま。Aのご飯はなんでもうまいねー」

『んふふ、それはないよ。かずくんは昔から優しいから。好みの味じゃなくても、美味しくなくてもそう言ってくれるでしょ？』

「本当だよ。Aには嘘つかない」

そう言うと、ありがとうって口元を緩めて嬉しそうな顔をした。

この笑顔がずっと隣で見れたらいいなぁ……。

なんて、食べながらぼんやり思ってたら、Aが静かに聞いてきた。

『ねぇ、かずくん？どうかした？なんかイライラしてるでしょ？』

「ん？……そんなことないよ。大丈夫」

こういう時のAには、俺の得意なポーカーフェイスなんて全然効かない。

俺はAの前では、すぐに顔に出るくらい子どもみたいに素直になる。

それ以上何も言わない俺に、まぁイライラしててもかっこいいけどって

冗談交じりにふんわり笑って、俺の心を少しだけ和ませてくれる。

「ねぇ、Aってさ、俺の仕事のこともっと知りたいって思わない？」

『えっ？』

なんとなくね、もう1回聞いてみようかなって。

「いつも自分からは絶対聞かねぇじゃん。普通、好きな相手だったら何でも知りたくならない？いくら俺のこと、嵐のって見てなくても。俺はAのことはどんな小さな事でも知りたいよ？」

そしたら唇を尖らせて、考えながら話し始めた。

『うーん……。本当に2人でいる時はかずにぃとして見てるから……。正直、仕事に関しては言い方悪いけど、詳しくは知りたくないっていうか、興味ない……かな？』

「えっ！？ないのっ！？」

『いやいや(笑)厳密には、ない訳じゃないよ？家では嵐の顔をして欲しくないのに、私が聞いたり、詳しくなっちゃったら、仕事じゃないのに、自然とその顔になっちゃうでしょ？だから聞かないが正しいのかな。だって家の中ではいつも、かずにぃとして見ていたいし、接していたいし、かずくんにもそういて欲しいもん』

「ほぉ……」

『そもそもさ、同じ会社とか職業じゃない限り、聞いたところで、わかんないことばっかじゃん。自分からしたら普通の会話でも』

「まぁ、そうだね……？」

『簡単な会話だったらいいんだけど、疲れたとか、楽しかったとか。でもお互い、普通っていうか、サラリーマン？じゃないから、聞いたところで分かんない事の方が多いかなって』

「まぁねぇ」