ダールベルグデージー6【ars/K.N】 (ページ4)

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＊「何回話しても同じだぞ。許可は出来ない。仕事も詰まってる。まだ求めてくれる人たちがいる限りイメージは大事だろ！」

「分かってます。でも……！」

＊「結婚しなくたって良いじゃないか。同棲許してやってるんだし。同棲してたら、急いで籍なんて入れる必要ないだろ？結婚て言うのはな、相手も、お前の人生も、仕事の内容だって数だって、平気で変えるんだよ。それで減ったらどうするんだ？今、そんな事されたら困る。お前はうちの大事な商品なんだから」

そう話す重役達の左薬指には、もう長い間つけすぎて

微かな光すら反射しなくなった、シルバーの結婚指輪。

そんなんつけてるやつの話しなんて、全く説得力ねぇっつーの。

＊「そもそも、その彼女がお前との結婚望んでるのか？お前とそういう関係になったとしても、将来の事なんて保証できない事くらい分かってるだろ。アイドルだぞ？夢を与える仕事だ。それが、結婚？無理だな。諦めろ」

「でも、してる先輩はいるじゃないですか」

＊「それはそれ、お前はお前だろ。関係ない」

そう言われて、頭ん中で何かがキレて、気がついたら怒鳴ってた。

「はぁ？何だそれ。この話してから、俺のこと商品、商品って言ってるけど、俺だって生きてる人間なんだよ！愛する人、1人くらいいるわ！その人と結婚したいって思うのはダメな事なのか？だいたいな、あんたらだって結婚してんだろ。薬指に指輪しやがって！全然説得力ねぇわ！」

マ「ちょ、二宮さん……！」

「もう数え切れないほど、こうやってお願いしてんのに、何一つ受け入れてもらえねぇのかよ！俺は許可してもらえるまで絶対諦めねぇからな！絶対首を縦に振らせてやる！そんだけ俺は本気なんだよ！あいつがいれば何にもいらない。何も欲しくない。辞めたって構わないっ！」

マ「二宮さん、それは言い過ぎです！」

「うっせぇな、それくらいの覚悟してこっちも懲りずにこうやって話ししてんだろ！なのに、俺の気持ちなんて、これっぽっちも伝わんねぇじゃん！」

マ「とりあえず今日は、もうこれで……！」

怒鳴る俺をマネージャーが失礼しましたって

重役達に謝りながら、部屋から引きずり出した。

「あー！！クッソ！！何なんだよ！」

あんなに怒ったから、車の中でも当然イライラは治るはずもなく、貧乏揺りが止まらない。