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急いで電話を切って、この時間なら普段はまだAは起きてるだろうと思って
坂口に聞いた車で急いでホテルに向かう。
車をホテルの前に止めて、一か八かで電話する。
出てくれ……！
プルルルル……
プルルルル……
A……！！
プルルルル……
プルルルル……
くっそ、留守電にはならないから電源は入ってるだろうけど、やっぱり出ない……！
昼にラインは既読になってるから、ラインのメッセージなら、見てくれるかなって
それに今は、Aからの反応が既読になることしかないから
とりあえずもう1回送ってみる。
《A？何してるの？話し、しよ？もう怒ってないから。》
頼む、既読になれ……！
・
お風呂から出たら、ちょうど携帯が震えだした。
電話……？
ディスプレイをみると
《かずくん》
私の愛しい人の名前が煌々と大きく表示されてる。
急にその名前を見た瞬間、身体中震えだして
ぎゅーって、痛いくらい心臓を締め付けてくるから、声も出そうにない。
かずくんの声が聞きたい……
でも聞くのが怖い……
けど、いつまでも意地張ってちゃダメだってあと1回……
あと1回鳴ったら出ようって思ってたら切れちゃった。
仕方なくそこまで出た手を、胸の前でぎゅっと握りしめて、鳴らなくなった携帯を見つめた。
何やってんだろ……あと数時間で誕生日なのに。
このまま1人で、この寂しい空間で過ごすのかな。
そう思ってたら、私の感情が伝わるかのように、すぐにまた携帯が震えだした。
今度こそって手に取ると、電話じゃなくてかずくんからのライン。
ディスプレイには全部は見れないけど、最初の方のメッセージが映し出されてる。
《A、何してるの？話し、し…》
毎日《話がしたい》とだけ来るメッセージに、初めて何してるの？ってついてる。
心配してくれてるのかな……？
怒ってないかな……？
すぐに読んじゃったら電話を無視したみたいに思われないかな……？
いろんな感情がせめぎ合って苦しいけど、5分だけ……
5分だけ待ってから見よう。
そう思って携帯を胸に抱きしめた。
それなのに、5分って自分で決めた時間はすごく長く感じて
早く経って欲しくて、メッセージが見たくて落ち着かない。
結局5分なんて待てなくてメッセージを見た。
《A？何してるの？話し、しよ？もう怒ってないから。》
メッセージを見た瞬間、また携帯が震え出した。
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作者名：鈴
| 作成日時：2015年7月28日 20時
