ダールベルグデージー6【ars/K.N】 (ページ24)

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返事をするのが精一杯の俺に、懲りずに大野さんは、俺の気持ちを汲み取るように

決して責めず、話を続ける。

智「ねぇ、にの？Aちゃんってさ、いつもにのを嵐っていうフィルターを通してじゃなくて、ただの1人の男の人として見てくれてるでしょ？でもさ、やっぱりこういう仕事してるって事実は変えらんなくて。にのをそういう目で見てなくてもさ、きっと嫌でも目にするし、耳にするし。Aちゃんの中で色々葛藤があったんじゃねぇの？」

「ん……」

智「もし結婚したらさ、突然好奇の目で見られる可能性だってあるだろうし、あんなに好きな仕事だってやめなきゃいけないかもしんないじゃん？きっと色々、考えすぎてうまく言えなかったんだな。ちょっと男としては傷つくけど(笑)」

それが的確で、自分がムカついた。

冷静になって考えたら、それくらいわかるようなものを

自分が思ってたよりずっと心の余裕のなさから、Aの気持ちを最優先するどころか

プロポーズ前に浮かれて雑な探りを入れた挙句、何度も頭の中でシミュレーションしてた答えじゃなかったからって、自分勝手に怒るなんて……。

智「でもさ、会う度いっつもにののこと大好きーって、ちっせー身体に収まりきらねぇほど、好きの気持ち溢れさせてさ、だからAちゃんも、にのと一緒で一生懸命考えたんだよ、きっと」

「ん……」

大野さんの言葉に、怒りの感情が治ったのか、他のメンバーも、ただただ心配してくれる。

潤「Aちゃんもびっくりしたんだよ。にのから結婚の話が出るなんて思ってなくてさ、頭ぐちゃぐちゃになっちゃったんだって」

雅「俺らも一緒に探すから」

翔「だからさ、ほら、連絡しな？」

「……はい」

このあと言われた通り、電話とラインもした。

そしたら、電話の折り返しも、ラインも返信はないけど

昼にメッセージが既読にはなってたから、見てくれたのかなって思ったら、少しだけ安心した。