ヒメユリコンペティション【ars/K.N&S.S】 (ページ46)

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ツーショットは絶対撮られないように、マネージャーさんを挟んだりして気を付けてたけどなぁ。

でもそんなのどうとでも今の技術があれば出来るのか。

いくら素人の私が考えたところで分からないけど……

とにかく今日は眠れなさそうだなぁ……。

そして案の定寝不足のまま、仕事に向かう。

暑すぎる日差しで、寝不足の身体が悲鳴を上げそう。

朝の会議を終わらせて、同僚と適当に会話をしてから、音楽室に向かう。

クーラーをつけてから、文化祭の練習、授業の準備、楽器の管理

時間があれば校内の草取りも事務員さんとやれたらいいなと思いながら、手を動かしていた。

忙しくしていると、スマホが震える。

画面を見たら知らない番号で……。

いつもなら絶対に出ないけど、昨日の今日だから何か関係がありそうだなと

スマホを手に取り窓際に座って、胸に手を当てて、深呼吸を一つ。

『……はい』

＊《あ、お久しぶりです。マネージャーの佐伯です》

マネージャーさんからということは、昨日の彼の声では大したことないと思っていたけど

結構大事になってるのかな。

『お久しぶりです。どうかされましたか。昨日彼からも電話が来ましたが』

＊《あぁ、そうでしたか。なんて言ってました？》

『バラしてないよねと。なので知らないと答えました。それだけです』

あぁ……と少し唸る声がした。

これはどんな感情の声なんだろう。

＊《私たちはAさんじゃないと信じてますよ？けど、記事がすごく詳細に。近しい関係の人からのリークとしか思えなくて》

……疑われてるんだ、やっぱり。

『誓約書か何か書きましょうか。口外してない、今後も一切しないって』

＊《いや、そこまで……》

煮え切らないなぁ。

はっきり言ってくれたらいいのに。

『じゃあいちいち確認してこないでください。彼にも言いましたが、私じゃないです。言いふらしたり、自分で命の危険を晒す程馬鹿でもないです。あんな別れ方したとはいえ、彼と一緒にいられた少ない時間を、どれだけ神経張り巡らせて大切にしていたのか、佐伯さんなら分かりますよね？』

＊《分かってます、もちろん。すみませんでした。写真も出てしまいますので、それだけは本当にすみません。阻止できませんでした。顔は当たり前ですがぼかしが入ってます》

『そうですか……。とにかく私じゃないんでこれで失礼します』

＊《あ、ちょっ……》