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A先生は、カウンセラーの松本先生の代わりみたいなことをしてることもあるからか
悩みを吐露しやすくて、つい俺ばかり話してしまう。
なのに、肝心なことはやっぱり聞けないし、言えなくて。
翔「あ、そういえば、この前生徒にA先生と付き合ってるの？って聞かれちゃって……(笑)」
『そういえば、私も二宮先生に言われました。ピアノを教えてるところがあまりにいい感じだったんでって。否定しておきました！』
……。
これは、俺はやはり1人の男として見られていないという解釈で良いのか？
突然訪れた、興味ないですよ宣言とも取れる発言に落ち込むわ。
『残業して遅くなった日に、二宮先生を駅まで車で送った時に聞かれて』
翔「え？！2人きりですか？！A先生の車で？！」
『はい？そうですけど。今の時代、男性でも夜遅くに歩くの物騒じゃないですか。で、その時、二宮先生に自分よりもっと下だと思ったって言われて、若く見られちゃって。嬉しかったですー！』
若く見られたことにめちゃくちゃ喜んでて、安定に可愛いが
俺だってまだ先生の助手席に乗ったことないのに……。
来て半年もしてない二宮先生が乗れるなんて……。
そのあと何を話したのか覚えていないほど更に落ち込んだ俺。
だけど、会計だけはスマートに済ませたことを褒めてやりたい。
『ご馳走様でした。ありがとうございました』
翔「いえ。タダでピアノを教えてもらってるお礼ですから」
『じゃあ無事に櫻井先生のピアノが終わったら、私にご馳走させてください』
翔「え！良いんですか？」
『お疲れ様会です！』
翔「ぅわー。マジで嬉しい！」
『自分を信じて。大丈夫。櫻井先生なら。あと少し練習頑張りましょう！』
翔「はい！」
櫻井、復活！！
ピアノ、頑張ります！！
そして次の日、二宮先生を職員室に行くまでの廊下で捕まえた。
翔「おはようございます、二宮先生」
和「おはようございます。昨日はどうでした？楽しかったですか？」
一瞬立ち止まって、隣を歩きながら俺に聞いてくる。
翔「あぁ、まぁ。はい。ところであの、A先生の助手席に乗ったって本当ですか？」
朝だし忙しいから、単刀直入に聞く。
A先生外には出来るのになぁ。
和「あぁ、はい。それが何か？」
翔「それはA先生のこと……その……好きとか……？」
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作者名：鈴
| 作成日時：2020年5月29日 10時
