ヒメユリコンペティション【ars/K.N&S.S】 (ページ2)

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校長「それでは4月からこの学校に配属になった先生を紹介します。二宮先生。お願いします」

校長に呼ばれ、舞台上に上がる。

和「初めてまして。二宮和也です。担当は理科です。まだ来たばかりで何もわからないので、校内で迷ってたら教えてください。お願いします」

当たり障りない挨拶を終えると、拍手をくれる中、舞台から降りて並び直した。

集会が終わり朝の軽い会議を終え、準備室に戻ろうとしたら

潤「二宮先生！」

和「はい？」

後ろからやたら顔のうるさい人に声をかけられた。

ここに来て初めて見る顔だ。

潤「初めまして。松本潤です。ここのカウンセラーをしています。何か悩み事があったら何でも相談してくださいね。常駐してますから」

和「え？先生の話しも聞くんですか？」

潤「今の時代、先生も大変ですから。誰からでも」

和「大変ですね、カウンセラーの先生も」

潤「仕事ですから(笑)」

では！と爽やかに会釈をして、俺の前から去った松本潤。

顔がうるさいわりには、心は穏やからしい。

理科の先生は俺の他にもいるけど、ほとんどこの準備室にはいない。

だいたいは職員室か、別の場所にいることが多く

前任の先生からも、ここは二宮先生の部屋にしてもらっても構わないと言われたから

私物を持ち込んで、多少居心地の良い空間にした。

だからタバコも気兼ねなく吸える。

ありがたい。

今日は始業式で、授業はないから一服しようとタバコを鞄から取り出す。

翔「あーーー！二宮先生！ダメですよ！」

窓際でタバコの火をつけたところで、渡り廊下から、大きな声で注意してきた、英語教諭の櫻井翔先生。

翔「消してくださいね！」

大きな声を出すのが面倒だったから、片手を上げて

一応申し訳なさそうに、分かったよと合図をして

櫻井先生がいなくなるのを見計らって、タバコを吸った。

和「吸ったばっかだからもったいねぇし」

これからは、窓際で立って吸うんじゃなくて、座って吸おうと決めた。

窓を開けているからか、生徒たちの話し声や、笑い声

先生が生徒を注意する声が聞こえくる。

～～♪

その話し声や笑い声の間から、ピアノの音が聞こえてきた。

何の曲かよく耳をすますと、ここの校歌で

きっとA先生が弾いてるんだろうと思った。

和「うめーな、ピアノ」

音楽教諭なんだから当たり前なんだけど。