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「いや、ともちゃんの言う通りだなぁって思ってさ。ダサいよね。けどさ？それでも忘れられないんだ、Aのこと。忘れる努力もして、引っ越しもしたけど、なんでだろうね。好きで別れたからか、心の準備がないまま別れたからか……忘れらんねぇんだ。困ったことに。そりゃ紹介されたり言い寄られたりして、飯には行ったよ？行ったけど、どっかでAと比べてうまくいかない。どうしようもないでしょ？笑えるよね」
とも「そうですか……。でも約束してるんです。もし聞かれたとしても、何も言うなって。だから先輩がどれだけAを想っていても、今どこで何をしてるかは教えられません。ごめんなさい」
徹底してんなー、全く。
そんなに俺に知られたくないのかよ。
「ちゃんと……元気なんだよね？A」
とも「はい」
「ん、そっか。なら良いんだ。Aがどこかで元気で過ごしてるなら。ごめんね、しつこく聞いちゃって」
とも「いえ……」
「じゃあ、またね？で良いのかな？(笑)」
とも「はい」
ぎこちなく微笑んだともちゃんに背を向けて、歩き出そうとしたら、呼び止められた。
とも「先輩！」
「ん？」
とも「場所は言えませんが、A……日本にはいません。先輩との報道前に日本を出ていきました。向こうで仕事もしています。だからこっちには何年かに一度しか戻ってきてません」
「え？海外で働いてんの？！」
とも「はい。だから、Aのこと忘れた方がいいです。どれだけ想っていたって先輩のもとには戻ってきませんよ？」
「そう。それでもいい。俺はきっとまだまだAを忘れられないし、消えてしまったAの香りを未だに探し求めてる」
とも「向こうで彼氏がいても……ですか？」
「想うだけならいいでしょ。迷惑はかかってないはずだよ」
とも「……そうですか。今、嵐とかジャニーズとか関係なしに、先輩の背中があまりに惨めに見えたので言いましたが……もうこれ以上は言えないし、この先私に会う事があったとしてもAのことは聞かないでください。あの子があの子らしく生きているのが、私は嬉しいんです。あの子の人生を邪魔しないでください。お願いします」
「邪魔なんて人聞き悪いね？そんなつもりないよ。ただ会いたいんだ」
とも「復縁、望んでるんですか？」
「うん。望んでるからともちゃんに聞いたし、未だに捨てられないものもある。ありがとね。海外にいるって教えてくれて」
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作者名：鈴
| 作成日時：2020年1月21日 13時
