鈴蘭の咲く頃4【ars/S.S】 (ページ7)

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いちゃいちゃしながらも、忘れずに途中でDVDもレンタルして

「はい、着いたよ」

『ありがとうございます』

手を繋いで、部屋に入る。

『あ、前より綺麗……！』

「でしょ？掃除したもん。この前怒られたから(笑)」

『んふふ、ありがとうございます』

飲み物を用意して、ソファーに借りてきたDVDを早速付ける。

Aちゃんのご所望DVDは……

『毎年絶対、全部見れないうちに、お兄ちゃんに消されちゃうんですよね！やっと見られる！楽しみー！』

「そうなんだ……」

大晦日にやる、絶対に笑っちゃいけないあのやつです。

ぜーんぜんムードねぇし。

俺の頭ん中ではさ、恋愛もの借りて？

良い雰囲気になりーの

キスしーの

そのまま……みたいなさ、ね？

海行ってお互い水着姿見たし、ちょっとはその雰囲気になるかなって

寧ろなるって変な自信まであったのにさ。

『翔くんも頑張って笑うの我慢ですよ？私も頑張って我慢しますから！』

「うーん……」

俺の妄想をいとも簡単に、しかも一瞬でぶっ壊した人魚姫は隣でウキウキしてる。

多分ね、ガチで見たかったんだろうね。

今年のもコウタに消されて悔しかったんだね……。

うん。

何でAちゃんに選ばせたんだろ。

それさえ後悔してる俺(笑)

自分で選べばよかった。

クッソー！そんで、やっぱおもしれぇし！！

笑っちゃダメって分かってんのに、つい笑っちゃうよねー。

『ん、ふふ……翔くん、笑っちゃダメ！』

「も、無理！あーっはははは！！」

『ちょっ、あーっはははは！！お腹痛い！！』

「Aちゃんこそ、笑うなよぉ！」

『無理無理無理ッ！翔くんだって、笑いすぎです！翔くんにつられる！』

「だってさ、笑うなって方が無理でしょ！？」

『あはは、はい』

だけどね、人魚姫、限界なようです。

1時間くらいしたら、笑わなくなった(笑)

車ん中でも眠そうだったもんなぁ。

「眠い？」

『ん。ねむい……』

「寝る？」

『ねる』

もう、おうむ返ししか出来てない(笑)

ソファーの上で膝を抱えて、そこに頭を預けて、もう今にも夢の中の世界に行っちゃいそう。

「ねぇ、寝転がったら？」

『んぅ……』