鈴蘭の咲く頃4【ars/S.S】 (ページ41)

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私が恥ずかしがってるのを見て、悪戯に笑うと、お昼ご飯を食べに車を走らせてくれる翔くん。

バレンタインだからかな？

いつもより雰囲気が甘い……///

いつも通り外でランチを済ませて、夜ご飯の買い物をしてから翔くんのアパートに向かう。

私と会う日の夜ご飯は、Aの作ったもんが食べたいって言ってくれるから、そんなに得意じゃない料理も好きになる。

『お邪魔します』

「どうぞ。コーヒー飲む？インスタントだけど」

『飲むー』

翔くんの後について、リビングのソファーに座る。

「はい、熱いから気をつけろよ？」

『ありがとう』

お揃いのマグカップにあっつあつのコーヒー……

しばらく飲めそうにないな……(笑)

「ねぇ、デザートに、チョコ食べたいなぁ？」

早速とばかりに、ガラステーブルに置かれてる箱を嬉しそうに指差す。

『はい、どうぞ。味はね、美味しいと思う』

「何年振りかな、本命チョコ！めっちゃ嬉しい！ありがとう！」

『どういたしまして』

箱を開けるなり、子どもみたいな無邪気にニコニコしてくれる。

「わ、ケーキ！うまそー！」

『頑張ったもん！フォーク持ってきてあげるね？』

キッチンからフォークを取って翔くんに渡すと、身体を揺らして、ウキウキしながら待っててくれた。

「頂きまーす！」

味、大丈夫かなって不安だから、翔くんが食べるのをじーっと見てたら

「ねぇ、そんなに見られてたら食べづらい(笑)」

『あぁ、ごめん。気になっちゃって……』

「ね、Aが俺に食べさせて？あーんして？」

『んふふ、はい』

恥ずかしいけど、バレンタインだから翔くんからフォークを受け取って、あーんしてあげる。

「ん、うっま！うまい、うまい！Aも食べてごらん？ほら、あーん！」

興奮しながら私の手からフォークを取って、今度は私に食べさせてくれる。

『ん、ほんと(笑)おいしいねぇ』

「超うまいじゃん！苦手って言ってたから、最悪まずくても食えたらいいと思ってたけど、これマジでうまいわ。来年もこれ食べる！！」

『良かったぁ。喜んでくれて。大丈夫かなってドキドキした』