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そういうのに、口元を押さえたと思ったら、くしゅんっ……って小さなくしゃみをしたから
「大丈夫？もう、上がろ？ご飯食べよ」
『えっ、大丈夫……』
「良くない、良くない。それにもうお昼だから、腹減った。ね？」
『翔くん心配しすぎ』
「心配するよ。それに、風邪でも引いたら折角の夏休み楽しくなくなるじゃん？」
『んー。はぁい』
不満げに返事してるけど、体調崩されたら本当に困るからさ。
Aちゃんの足が付きそうなところまできて、浮き輪から降りられる様に、両手を差し伸べる。
『ありがとうございます』
しっかり小さな手を重ねてくれて、Aちゃんが浮き輪から降りようとしたら、ちょっとバランスを崩しちゃって
俺の胸に飛び込む形で、浮き輪から降りてきた。
「っと、あぶね。大丈夫？」
しかもちょっとまだ、Aちゃんの背のギリギリ届くところだったみたいで、顎まで沈みかけた。
『ん、すみません、うまく降りられなくて』
そのおかげで、素肌に近い状態で海の中で抱き合ってる俺たち。
『あ、のっ……///も、大丈夫ですから。離してください……！』
「えぇ、離したくないなぁ……？」
Aちゃんの肌の体温、その身体の柔らかさとか、華奢な腰とか
全部が俺の身体に直に伝わってきて、本当に離したくなくなるくらい、ふわふわして気持ちが良い。
『もぉ、しょぉくん、恥ずかしい……近いぃ』
ぐーっと俺にとっては弱い力で胸を押し返してくるから、これ以上してたら怒られそう。
「はいはい。浮き輪も流されちゃうしね？行こっか」
『っ〜……///』
そこからは手を繋いで、シートまで戻って身体を拭いてから、海の家でお昼を食べて、のんびりしつつ、シャワー浴びて、着替えて、車に向かう。
「寒くない？大丈夫？」
『大丈夫です！むしろ暑いです……』
「ね、暑い。早く帰って涼も」
朝早かったからか、Aちゃんは車に乗るなりうとうと。
「眠い？寝ていいよ？」
『んぅ。寝ません……』
そうは言ってるけど、もう目は開いてなくて首もぐらぐら。
「ほら、そんな無理したら首が取れる(笑)」
信号待ちで、しかもかなりの渋滞で、なかなか車が動かないから腰が痛くならないように
Aちゃんが座ってる助手席のシートをゆっくり、少しだけ倒してあげる。
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作者名：鈴
| 作成日時：2015年10月10日 18時
